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新型コロナ「収束」の中国の「終息」にはほど遠い地雷だらけの実情

健康診断なみのPCR検査でも捕捉できない無症状感染者が終息を妨げる

浦上早苗 経済ジャーナリスト、法政大学MBA実務家講師、英語・中国語翻訳者

2カ月自宅にいた人でも感染

 4月初めには、2カ月間にわたってアパートの敷地から出なかった武漢住民の感染が確認され、全国に動揺が走った。

 この住民は武漢封鎖以来、2月19日まで一歩も外出せず、2月20日以降はアパートの敷地の入り口まで足を運び、郵便物や注文した食品を受け取るようになった。そして3月30日、自分で車を運転して健康診断に行き、PCR検査で陽性と判定されたのだ。感染源は特定されていないが、「無症状感染者の宅配ドライバーから感染した」可能性が指摘されている。

 武漢だけでない。3月28には、それまで1カ月感染者が出ていなかった河南省で図書館清掃員の感染が確認された。行動履歴を辿ると、3月21日に一緒に墓参りをした友人医師から感染したらしいことが明らかになった。その友人医師は3月25日、医療関係者を対象にした健康診断で、無症状感染者であることが判明した。

「健康診断」並みに広がるPCR検査

 上の2件はいずれも無症状感染者から感染したと推定される。ではなぜ、それを捕捉できているのか。

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筆者

浦上早苗

浦上早苗(うらがみ・さなえ) 経済ジャーナリスト、法政大学MBA実務家講師、英語・中国語翻訳者

早稲田大学政治経済学部卒。西日本新聞社を経て、中国・大連に国費博士留学(経営学)および少数民族向けの大学で講師の職に就き6年滞在。新聞社退職した時点でメディアとは縁が切れたつもりで、2016年の帰国後は東京五輪ボランティア目指し、通訳案内士と日本語教師の資格取得をしましたが、色々あって再びメディアの世界にてゆらゆらと漂っています。市原悦子演じる家政婦のように、他人以上身内未満の位置から事象を眺めるのが趣味。未婚の母歴13年、42歳にして子連れ初婚。最新刊「新型コロナ VS 中国14億人」(小学館新書)

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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