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アートシーンに起きている三つの兆候

コロナ時代を生き抜く、アーティスト的生き方

電通「美術回路」 若林宏保・東成樹

求められる「アーティスト的生き方」

 アーティストたちは、常に社会に対する違和感を察知しながら従来の価値観やモノの見方に縛られずに、自らの強い意思によって表現活動を行なっている。アーティストが作品を作り続けていく活力の源泉として、下図のような四つのアートパワー「問題提起力」「想像力」「実践力」「共創力」を挙げられる。

美術回路拡大出典:「アート・イン・ビジネス–ビジネスに効くアートの力–」(2019 有斐閣)=「美術回路」提供

 この図が示すように、アーティストは、自己の探求と、自身を取り巻く環境に対する批評的洞察の二つの問題提起力を起点に、想像力を駆り立て、これまで見たこともなかったヴィジョンを描いていく。批判や孤独と闘いながら、様々な制約条件を乗り越えて創作活動を実践していく。そして同時代の人々だけでなく、様々な人々との対話と共感を通じて、作品は後世へと受け継がれていく。

 昨今、「アート・シンキング」と呼ばれるアートの思考法を取り入れようとする機運が高まっているが、「withコロナ」時代を生き抜き、これまで見なかった「after コロナ」時代を迎えるには、アーティストの「思考法」だけでなく、アーティストの「生き方」そのものからインスパイアされることが多いのではないか?

 前述した多様な接点によって、私たち一人一人がアートと深く関わっていくことで、私たちの中にアートが内在化し、まるでアーティストのように社会に問いかけ、自らのフィールドでの活動を通じて新しいヴィジョンを描いていくことできれば、世界はもう少しより良いものになるに違いない。コロナ時代こそ、アートが欠かせないのだ。

美術回路とは

美術回路拡大
アートパワーを取り入れたビジネス創造を支援するプロジェクトチーム。 先進的企業の事例研究や定量調査を通じて、 アートをビジネスに導入する理論と実践法を体系化した『アート・イン・ビジネス −ビジネスに効くアートの力–』(有斐閣)を刊行中。

 

 

 

 

 

 

プロフィール

若林宏保(わかばやし ひろやす)
電通 クリエーティブ・ディレクター
2009年より「プレイス・ブランディング」をテーマに、全国各地において地域活性化プロジェクトを推進。近年、現代アート美術館の広報支援活動など、アートをテーマにした作業も手がける。主な著書に、『地域ブランド・マネジメント』2009年 有斐閣(共著)、『プレイス・ブランディング』2018年 有斐閣(共著)、『アート・イン・ビジネス』2019年 有斐閣(共著)がある。経営学修士。

東 成樹 (ひがし なるき)
電通 プランナー
アート・イン・オフィスの実施や芸術祭の広報・ツアー造成のほか、美術展のキュレーション・コピーライティングを担当。またミュンスターやドクメンタをはじめ、アート関係者に取材して編集・ライティングを行う。著書に『アート・イン・ビジネス』2019年 有斐閣(共著)がある。

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