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PCR検査をめぐる「5つの理論」を検討する

疫学的視点から見た新型コロナ問題

鈴木貞夫 名古屋市立大学大学院医学研究科教授(公衆衛生学分野)

【②アイスクリーム理論】それ、因果関係ではありません

 4月27日、千葉大学大学院薬学研究院および医学研究院の研究グループからの「十分なPCR検査の実施国では新型コロナの死亡率が低い」という内容の研究がテレビで放送された。「死亡者数を増加させないために陽性率を低下させるようにPCR検査能力を拡大することが急務」と結論付けており、その番組でも賛同するコメントが寄せられ、反論は出なかった。

 この結果に対して、疫学の立場から懸念を持っている。この研究は

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筆者

鈴木貞夫

鈴木貞夫(すずき・さだお) 名古屋市立大学大学院医学研究科教授(公衆衛生学分野)

1960年岐阜県生まれ。名古屋大学医学部卒業、名古屋大学大学院医学研究科博士課程修了(予防医学専攻)、Harvard School of Public Health修士課程修了(疫学方法論専攻)。愛知医科大学講師、Harvard School of Public Health 客員研究員などを経て現職。2006年、日本疫学会奨励賞受賞

※プロフィールは、論座に執筆した当時のものです