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G・フロイド氏の死は、アメリカをどう変えるのか――NY現地報告

田村明子 ノンフィクションライター、翻訳家

 6月3日、筆者が住むニューヨーク市のルーズベルト・アイランドで、March for Justice(正義のための行進)が行われた。

 マンハッタンの東側を流れるイーストリバーの中州であるここは、人口1万人あまりの住宅街だ。もともと国連の職員も多く、人種や国籍が多彩なニューヨークの中でも際立って混ざり合っているコミュニティだといえる。

ニューヨーク市のルーズベルト・アイランドで開かれた集会=6月3日、撮影・筆者拡大ニューヨーク市のルーズベルト・アイランドで開かれた集会=6月3日、撮影・筆者

 この日はニューヨーク(NY)州クオモ知事と、デブラシオNY市長によって、外出禁止令が夕方8時からに設置され、行進は午後6時半きっちりに始まった。人々は適度な距離を保ちながら1キロほどの距離を歩き、最終的に教会前の広場に集まってスピーカーたちの演説に耳を傾けた。白人、黒人、アジア人、中には髪をスカーフで覆ったイスラム教徒の家族の姿もあった。

 COVID-19(新型コロナウイルス)の影響により、巣籠もりをはじめてからすでに2か月半。これほどの人数が1か所に集結した姿を見たのは、久しぶりのことだ。

 ようやく感染者数も、死者数も落ち着いて少しずつ社会活動が再開かというところで、COVID-19の報道など吹っ飛ぶような大事件が起きるなど、いったい誰が予想していただろう。


筆者

田村明子

田村明子(たむら・あきこ) ノンフィクションライター、翻訳家

盛岡市生まれ。中学卒業後、単身でアメリカ留学。ニューヨークの美大を卒業後、出版社勤務などを経て、ニューヨークを拠点に執筆活動を始める。1993年からフィギュアスケートを取材し、98年の長野冬季五輪では運営委員を務める。著書『挑戦者たち――男子フィギュアスケート平昌五輪を超えて』(新潮社)で、2018年度ミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞。ほかに『パーフェクトプログラム――日本フィギュアスケート史上最大の挑戦』、『銀盤の軌跡――フィギュアスケート日本 ソチ五輪への道』(ともに新潮社)などスケート関係のほか、『聞き上手の英会話――英語がニガテでもうまくいく!』(KADOKAWA)、『ニューヨーカーに学ぶ軽く見られない英語』(朝日新書)など英会話の著書、訳書多数。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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