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スポーツ界の2020年を象徴する新用語 無観客試合は「リモートマッチ」に

増島みどり スポーツライター

拡大オンライン記者会見で新名称「リモートマッチ」と書かれたボードを笑顔で掲げるJリーグの村井満チェアマン

応募9000件にはユニークな呼称も 新呼称はすでに商標登録申請中

 6月15日、日本トップリーグ連携機構(川淵三郎会長、以下機構)が「♯無観客試合を変えよう」と題してファンから募っていた、無観客試合に代わる新しい呼称がオンライン会見で発表された。ツイッターのみでの応募は9000件を超え、「リモート」「ステイホーム」など同じワードを使ったものをテーマごとに14項目程度に分類し、さらにコピーライターなど専門家の意見を聞いて20件ほどに絞り込んだという。6月27日のJ2の再開、J3の開幕(J1は7月4日)と、トップリーグに加盟する競技団体で最初にスタートするJリーグから、無観客試合は「リモートマッチ」と呼ばれる。

 「リモートマッチ」としてすでに競技に関する商標登録は申請中で、今後、新型コロナウイルス感染第2波、第3波に備え、再開後の数試合だけではなく新たなスポーツ観戦の形態を定着させる構想だ。

 緊急事態宣言発令後、在宅で仕事をする「リモートワーク」が定着しただけに、「リモート」を使ったアイディアは多く、試合は「リモマ」、サッカーは「リモJ」、バスケットボールは「リモB」と、汎用性がある点も評価ポイントになった。どちらにしても和製英語になるため、外国人ジャーナリストや日本で仕事をするビジネスマンにも助言を受ける準備までしており、中には、ソニーのポータブルオーディオプレーヤー「ウォークマン」のように、「和製だが英語圏で定着するかもしれない」といった好意的な意見も寄せられたそうだ。

 機構の田口禎則・事務局長は、「副賞を設定しないなかでの応募にも関わらず、これだけ多くの方々が新しい呼称を考えて下さったのは驚きであり、改めて皆さんがスポーツの再開を待ち望んでくださっているのだと身が引き締まる思いでした」と話す。田口氏によれば、自粛で変化した生活様式を反映するものが多かったという。

 「ステイホームマッチ」「絆マッチ」「ワンハートマッチ」に加え、「ソーシャルディスタンスゲームス」「セーフティマッチ」、日本語で「心満席試合」「∞(無限)観客試合」とユニークなものも。また自粛期間中も多くの寄付活動が定着したのを背景に「クラウドマッチ」も多数で、最終的に使いやすさ、一目で分かる表現、和製英語として受け入れられるかを指標に「リモートマッチ」に決まった。

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筆者

増島みどり

増島みどり(ますじま・みどり) スポーツライター

1961年生まれ。学習院大卒。84年、日刊スポーツ新聞に入社、アマチュアスポーツ、プロ野球・巨人、サッカーなどを担当し、97年からフリー。88年のソウルを皮切りに夏季、冬季の五輪やサッカーW杯、各競技の世界選手権を現地で取材。98年W杯フランス大会に出場した代表選手のインタビューをまとめた『6月の軌跡』(ミズノスポーツライター賞)、中田英寿のドキュメント『In his Times』、近著の『ゆだねて束ねる――ザッケローニの仕事』など著書多数。

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