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コロナ禍の大学、教員コミュニティが映す現実

Facebookに2万人、オンラインの情報と知恵を共有

樫村愛子 愛知大学教授(社会学)

大学教員のコミュニティで見えてきたこと

 Facebookに、2020年3月末から、大学教員のコミュニティ「新型コロナ休講で、大学教員は何をすべきかについて知恵と情報を共有するグループ」が立ち上がり、私も早いうちから参加していた。公開グループで(グループに入らなくてもFBの友人たちが見られるという意味で)、投稿の権利や友人以外の記事を読むために承認されて入るグループのメンバーは約2万人、短大合わせて17万人いる全国の大学教員の1割強になる。

拡大GiDesign/shutterstock.com

 最初は、やったこともないオンライン教育に短期でどう着手するかが最大の共有テーマであった。ただ、3月末ではまだオンライン開講が決まっていない大学も多かった。(幸い入試は終わっていたので)卒業式を開催するか、次に入学式を開催するか、始業時期を遅らせるか、ガイダンスはどうするか、始業にあたってはどのような対策を取るか、オンライン授業に踏み切るか、学生の通信環境をどうするのか――など、状況に応じて刻々となされる決断が話題となった。さまざまな状況の各大学からの報告や情報提供によって、規模や公立・私立、地域等の差異を超えて、現実が可視化されていった。

 大学教員同士は、組合や、全国的な交流集会、地域でのつながりなど、普段から交流の場がないわけではないが、一方で、国の教育行政によって、大学同士は競争を仕掛けられている。うちの大学だけがうまく回っていないのかもしれないと、心配になりがちだ。しかし、Facebookコミュニティで多くの大学の内実が報告されると、どこも似たような状況なのだなということがわかってきた。

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筆者

樫村愛子

樫村愛子(かしむら・あいこ) 愛知大学教授(社会学)

愛知大学文学部社会学コース教授。1958年、京都生まれ。東大大学院人文社会系研究科単位取得退学。2008年から現職。専門はラカン派精神分析理論による現代社会分析・文化分析(社会学/精神分析)。著書に『臨床社会学ならこう考える』『ネオリベラリズムの精神分析』、共著に『リスク化する日本社会』『現代人の社会学・入門』『歴史としての3・11』『ネオリベ現代生活批判序説』など。

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