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「Black Lives Matter」の訳は「黒人の命をなめるな」がふさわしい(上)

そこに映る翁長雄志・前沖縄県知事の言葉との相似性

田中駿介 東京大学大学院総合文化研究科 国際社会科学専攻

Black Lives Matterが生まれた瞬間

 さて、Black Lives Matterをいかに訳すかについては、さまざまな意見がある。実際、朝日とNHKは「黒人の命も大切」、毎日、読売、日経の各紙は「黒人の命は大切」としている。また、専門家のあいだでも翻訳が分かれるようである(注2)。結論からいうと、筆者は「黒人の命をなめるな」と訳すべきだと考えている。

 そのことを考えるうえで、まずはBlack Lives Matter運動の起源について検証してみたい。

 2012年2月に米国のフロリダ州で黒人の高校生が、フードをかぶって飲み物とお菓子を買って帰宅する際、ジョージ・ジマーマンという自警団の男に不審者と見なされて射殺された。ジマーマンは2004年から2012年の間に警察に少なくとも46回(!)も日本の110番にあたる「991番」に電話をかけ続けていた。騒々しいパーティー、ガレージのドアの開け方、通りで遊んでいる子供たち……さまざまな地域の「騒動」を警察に報告していたのである。今風の言い方をするのであれば、「自粛警察」

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筆者

田中駿介

田中駿介(たなかしゅんすけ) 東京大学大学院総合文化研究科 国際社会科学専攻

1997年、北海道旭川市生まれ。かつて「土人部落」と呼ばれた地で中学時代を過ごし、社会問題に目覚める。高校時代、政治について考える勉強合宿を企画。専攻は政治学。慶大「小泉信三賞」、中央公論論文賞・優秀賞を受賞。twitter: @tanakashunsuk

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