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大リーグ7月24日開幕 浮き彫りになった選手会と機構・経営者の根深い対立

試合数では機構・経営者陣営、年俸では選手会が主張に沿う成果を得たが、火だねは残る

鈴村裕輔 名城大学外国語学部准教授

拡大 7月7日、変則ルールの紅白戦に登板したエンゼルスの大谷翔平=Angels Baseball提供

 「2020年7月24日」は将来、大リーグの歴史を著すときに、特筆大書される日となることだろう。新型コロナウイルスの感染拡大により、当初予定されていた3月26日から4カ月遅れた開幕日として。

 と同時に、開幕を迎えるまで、大リーグ選手会が、大リーグ機構・各球団の経営者と、試合数や年俸の削減のあり方を巡り激しく対立したことも、人々の記憶に残ることだろう。

 選手会にとっても機構・経営者にとっても、公式戦を行うということそのものに大きな意見の違いはない。にもかかわらず、両者の交渉は決裂の一歩手前まで揉めたのだろうか。

話題作りに積極的な大リーグ

 公式戦の開始時期が変更されたことで、今季の試合数は通常の162試合から60試合に削減、毎年7月に行われているオールスター戦も中止となった。

 6月19日に公式戦が始まった日本のプロ野球は、試合数が143から120に削減されたほか、全12チームが18試合を行うセ、パ両リーグの交流戦、2試合開催されるオールスター戦はいずれも中止となっている。

 こうした措置を見れば、試合数こそ大リーグよりも公式戦の開催期間が約3カ月長い日本の方が多いものの、オールスター戦の扱いなどでは大差のないように見える。

 一方、大リーグは8月13日にシカゴ・ホワイトソックスとセントルイス・カーディナルスがMLB at Field of Dreamsと題する公式戦を行う。

 これは、ケビン・コスナーが主演し、今も野球映画の傑作と高い評価を得ている『フィールド・オブ・ドリームス』(1989年)が撮影されたアイオワ州ダイアーズビルの新球場開設を記念した行事だ。

 また、8月17日には、アフリカ系アメリカ人のプロ野球リーグであったニグロ・リーグの創設100周年の記念式典、8月29日には1947年に「人種の壁」を破り、初の「黒人大リーグ選手」となったジャッキー・ロビンソンの偉業を讃える恒例の「ジャッキー・ロビンソンの日」を予定通り開催するなど、話題作りに積極的な様子がうかがえる。

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筆者

鈴村裕輔

鈴村裕輔(すずむら・ゆうすけ) 名城大学外国語学部准教授

1976年、東京生まれ。名城大学外国語学部准教授、法政大学国際日本学研究所客員所員。法政大学大学院国際日本学インスティテュート政治学研究科政治学専攻博士課程修了・博士(学術)。専門は比較文化。主著に『メジャーリーガーが使いきれないほどの給料をもらえるのはなぜか?』(アスペクト 2008年)、『MLBが付けた日本人選手の値段』(講談社 2005年)がある。日刊ゲンダイで「メジャーリーグ通信」、大修館書店発行『体育科教育』で「スポーツの今を知るために」を連載中。野球文化學會会長、アメリカ野球愛好会副代表、アメリカ野球学会会員。

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