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[43] 「感情」や「通念」で切り崩される人権保障

名古屋地裁で出された2つの判決を批判する

稲葉剛 立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科特任准教授

 7月17日、厚生労働省は「国民生活基礎調査 (2019年調査)」の概況を発表し、2018年時点の相対的貧困率は15.4%、17歳以下の子どもの貧困率13.5%であることが明らかになった。

 3年前の前回調査では、相対的貧困率が15.7%、子どもの貧困率が13.9%であったから、微減ではあるが、ほぼ横ばいと言ってよい数字である。日本国内の貧困問題は依然として深刻なレベルにあると言えよう。

拡大貧困率の推移(2019年国民基礎生活調査の概況より)

6人に1人が月手取り10万円以下の生活

 相対的貧困率は、一人あたりの可処分所得の中央値の50%を「貧困線」と定義した上で、「貧困線」以下で生活をしている人の割合を示した指標である。2018年時点の「貧困線」は127万円だったので、大雑把に言えば、全人口の6人に1人が、月に10万円以下の手取りしかない生活をおくっていることになる。

 今年の春以降は、コロナ禍の影響で家計がひっ迫している人が増えているので、今、調査が行われれば、さらに厳しい数字が出てくることであろう。

 生活に困窮した人にとって、最後の頼みの綱は生活保護制度である。

 この生活保護制度をめぐって、6月15日の参議院決算委員会で非常に興味深い質疑応答が行われた。

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筆者

稲葉剛

稲葉剛(いなば・つよし) 立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科特任准教授

一般社団法人つくろい東京ファンド代表理事。住まいの貧困に取り組むネットワーク世話人。生活保護問題対策全国会議幹事。 1969年広島県生まれ。1994年より路上生活者の支援活動に関わる。2001年、自立生活サポートセンター・もやいを設立。幅広い生活困窮者への相談・支援活動を展開し、2014年まで理事長を務める。2014年、つくろい東京ファンドを設立し、空き家を活用した低所得者への住宅支援事業に取り組む。著書に『貧困の現場から社会を変える』(堀之内出版)、『鵺の鳴く夜を正しく恐れるために』(エディマン/新宿書房)、『生活保護から考える』(岩波新書)等。

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