
アジア大会のヨルダン戦でシュートを放つ荒川恵理子選手(中央)=2006年11月30日、ドーハ
カズはすごい。でもがんちゃんもすごい
8月16日、なでしこリーグ2部第5節が埼玉の「NACK5スタジアム」で行われ、来秋開幕する女子プロサッカーリーグ「WEリーグ」への参戦を表明している「ちふれASエルフェン埼玉」(ちふれ)が「ニッパツ横浜FCシーガルズ」(ニッパツ)と対戦し、スコアレスドローで引き分けた。
Jリーグ同様、新型コロナウイルス感染拡大防止策で、スタジアムへの入場制限がされているため、この日の観客は285人。しかし後半残り6分、おなじみのアフロヘアのストライカーが交代すると、両チームのファンたちからひときわ大きな拍手が沸き起こった。ちふれの荒川恵理子(40)は、17歳下のFWと交代しピッチに駆け出した。
スタンドのファンからは「(53歳の)カズは本当にすごい。でも、がんちゃん(荒川のニックネーム)もすごい。この暑さの中で走るんだから」と、19時を回っても30度を下らず、湿度も60%超という悪条件下で、抜群のキレ味を見せるベテランを称賛する声も。この日ゴールは奪えなかったが、9日の「オルカ鴨川FC」戦では、後半79分に交代すると4分後にゴールを決め(試合は2-2)、40歳284日のリーグ最年長ゴール記録を樹立。2年前に作った38歳363日の最年長ゴールを自ら更新し、24年目のシーズン序盤5試合で勢いに乗っている。
Jリーグでは13年ぶりにJ1復帰を果たした横浜FCでカズ、三浦知良が最年長記録の更新を続けている。高温が続く8月に入って、5日には(ルヴァン杯鳥栖戦)先発して60分出場し、連戦となる1週間後の12日(同札幌戦)も先発し、自らの最年長出場記録を塗り替えた。カズに比べれば報道されていないが、最年長ゴールを奪う女子サッカー界のレジェンドに、枯れない秘密を改めて聞いてみたくなる。