市川速水(いちかわ・はやみ) 朝日新聞編集委員
1960年生まれ。一橋大学法学部卒。東京社会部、香港返還(1997年)時の香港特派員。ソウル支局長時代は北朝鮮の核疑惑をめぐる6者協議を取材。中国総局長(北京)時代には習近平国家主席(当時副主席)と会見。2016年9月から現職。著書に「皇室報道」、対談集「朝日vs.産経 ソウル発」(いずれも朝日新聞社)など。
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
ユニバーサルマナー講師・岸田ひろ実さんに聞く(上)
「ユニバーサルマナー」という言葉が、じわりと浸透しつつあった。「障害者が住みやすいバリアフリー社会」とも言い換えられる。さらに一歩進め、体の自由がきかなくなってきた高齢者やベビーカー利用者、外国人観光客、子どもたちを含む「すべての人にとって普遍的に安全で住みやすい社会」をめざし、「自分と違う視点に立って行動する心づかい」を表現したものだ。
2020年夏の東京オリンピック、パラリンピックに向けて、「ユニバーサルマナー」は、企業や自治体を巻き込み、ボランティア、個人を含む「おもてなし」の準備に弾みをつけてきた。
しかし、2020年春からの新型コロナ感染拡大で、オリ・パラは少なくとも1年の延期を余儀なくされた。2020年8月には来年のパラリンピックの日程も発表されたが、実現するかどうかはまったく不透明といえる。
この時期、障害者はどう過ごしているのか、どんな不安を抱えているのか。このままだとユニバーサルマナー意識は後退してしまうのか。
「株式会社ミライロ」に所属し、日本ユニバーサルマナー協会の講師を勤める岸田ひろ実さん(51、神戸市在住)に、ここ数年の変化、そして障害者問題を取り巻く未来の姿についてリモートで聞いた。
岸田ひろ実(きしだ・ひろみ)
1968年大阪市生まれ。主婦だった15年前、会社経営の夫が心筋梗塞で突然死。仕事と子育てに多忙のなか、3年後に大動脈解離で倒れ、車いす生活に。プロの講師としてミャンマーなど海外でも講演し、東京オリンピック・パラリンピックでおもてなしのマナーや街づくりのデザインを目指すために韓国・平昌オリンピックの視察もした。コーチングの資格を持つ。著書に『ママ、死にたいなら死んでもいいよ』(致知出版社)
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