メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

RSS

コロナ感染者への差別と「いじめ」の構図

大人の偏見が子どもに影響、ネットでもいじめも憂慮

加納寛子 山形大学准教授

大人の悪質な言動が子どもに影響する

拡大岡山県が実施している「ダメ!コロナ差別」啓発キャンペーンのチラシ
 コロナ感染者を攻撃する行動は、ウイルスより悪質である。そうした大人たちの言動は、少なからず子どもたちに影響する。

 家庭など周囲の環境によって、無意識のうちに植え込まれる偏見や差別感情のことを「アンコンシャス・バイアス(Unconscious bias、無意識の偏見)」という。コロナ禍の大人の態度が、青少年の心に「アンコンシャス・バイアス」を植え付けていないか危惧される。

 子どもたちのいじめは、大人の言動が発端になることがよくある。

 2011年の東日本大震災の後には、こんな事例があった。

・・・ログインして読む
(残り:約3103文字/本文:約4738文字)


筆者

加納寛子

加納寛子(かのう・ひろこ) 山形大学准教授

AIモラルや情報教育、AIやIoTと人の関係、インターネット上での心理・行動分析について研究。著書に『「誰でも良かった殺人」が起こる理由』(日本標準)、『いじめサインの見抜き方』(金剛出版)、『AI時代の情報教育』(大学教育出版)、編著『情報社会論~超効率主義社会の構図』(北大路書房)、共著に『ケータイ不安~子どもをリスクから守る15の知恵』(NHK出版生活人新書)、『ネットいじめの構造と対処・予防』(金子書房)など。科学技術分野の文部科学大臣表彰(理解増進部門)受賞、日本教育情報学会論文賞受賞。日本情報教育学会会長。

※プロフィールは、論座に執筆した当時のものです