メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

news letter
RSS

プロ野球とJリーグの観客増は、五輪の呼び水になるか

増島みどり スポーツライター

選手、クラブ・球団関係者、自治体、そしてファン一体で作った新たな観戦の成果

 開幕、再開から、両リーグと感染症学の専門家が合同で立ち上げた「新型コロナウイルス対策連絡会議」は9月7日で実に15回を数え、両スポーツとも数十ページにも及ぶ詳細な「ガイドライン」を作成。選手は、保健所の追跡に即座に対応するため自身の行動履歴を日々記録し、観客もこれに沿った行動で協力する。専門家は、2週に1度の会議に出席するだけではなく、試合直後の移動や宿泊、施設での集団生活を伴うプロ競技の特性にも対応する。球団、クラブのある地域に感染症学のアドバイザーを配置し、選手の疑問にもホットラインで即時回答するなど、きめ細かな態勢を敷いて、未知のウイルスとの戦いに臨んできた。

 7日の会議後の会見(オンライン)で、連絡会議の賀来満夫座長(東北医科薬科大学医学部特任教授)は「ピークが落ち着きつつある今、プロ野球、Jリーグ、そして観客も一緒になってここまで努力をしてきた大規模イベントの在り方をさらに高めて、チャレンジしていくことはとても重要だ」と話す。また同会議の三鴨廣繁・愛知医科大教授は、政府が設けた上限5000人について、「科学的な根拠はそれほどない数字」と前提したうえで、「プロ野球、Jリーグは国内のスポーツの運営の手本になっている。そしてこのガイドラインが来年のオリンピック、パラリンピックにつながると確信している」と、競技場の収容人員のパーセンテージで観客を決めるのが根拠に基づく現実的な施策とした。

 政府見解の根拠が明確ではなかったにもかかわらず上限5000人を守り、

・・・ログインして読む
(残り:約1455文字/本文:約3060文字)

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。


筆者

増島みどり

増島みどり(ますじま・みどり) スポーツライター

1961年生まれ。学習院大卒。84年、日刊スポーツ新聞に入社、アマチュアスポーツ、プロ野球・巨人、サッカーなどを担当し、97年からフリー。88年のソウルを皮切りに夏季、冬季の五輪やサッカーW杯、各競技の世界選手権を現地で取材。98年W杯フランス大会に出場した代表選手のインタビューをまとめた『6月の軌跡』(ミズノスポーツライター賞)、中田英寿のドキュメント『In his Times』、近著の『ゆだねて束ねる――ザッケローニの仕事』など著書多数。

増島みどりの記事

もっと見る