メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

news letter
RSS

共和党の重鎮たちが激しく批判するトランプ大統領の人間性と能力

田村明子 ノンフィクションライター、翻訳家

共和党中枢にいた元知事による「トランプ批判」全文

 日本では大きく報道されていないが、9月3日に共和党の重鎮、元ミシガン州知事のリック・スナイダーが民主党のジョー・バイデン候補者の支持を表明した。

元ミシガン州知事のリック・スナイダー拡大元ミシガン州知事のリック・スナイダー=USA TODAYのサイトより
 スナイダーは2011年から2019年までミシガン州知事を務め、ベンチャー投資家であると同時に、弁護士、会計士の資格も有する人物である。2012年に共和党から大統領候補として指名を受けたミット・ロムニーの副大統領候補の一人として、名前が挙げられたこともある。

 同時に、悪名高いミシガン州フリント市で起きた水道水鉛汚染事件では、知事だった彼の隠蔽疑惑が問われ、批判されたこともあった。

 長年トランプ大統領の友人でもあり、共和党の中枢にいたスナイダーのバイデン支持表明は、共和党、民主党両方の支持者にとって、大きな驚きだった。

 USAトゥデイ紙に掲載された彼の声明文を、少々長いが全文を翻訳して紹介する。

 44年前、私は18歳の誕生日を1976年共和党全国大会でジェラルド・フォードを支持する若者のグループに参加して祝った。あの全国大会で私は二人の偉大なリーダー、ジェラルド・フォードとロナルド・レーガンに会う光栄に恵まれた。生涯を通して共和党を支持してきた私は、2012年にはタンパで行われた共和党全国大会で、ミシガン州がミット・ロムニー大統領候補を支持することを誇りを持って最前列で宣言した。

 今後も共和党の政策と価値観、そして共和党の候補者を支持し続けていく。だがドナルド・トランプの再選は支持できない。

トランプの再選を支持できない理由

 大統領に当選したら、自分の支持者だけではなく全国民を代表しなくてはならない。それが仕事である。私はトランプが大統領就任の宣言をしたとき、首都にいた。大統領として彼が行う最初のスピーチは、分裂していた国民の一致団結を促すものであることを期待していた。だが代わりに私が耳にしたのは、彼が自分の支持者をこれからどのように援助していくかという内容だった。そして悲しいことに、これがトランプ大統領が一貫して続けてきた執政である。

 さらにトランプ大統領は、自分に反対する人々を言葉で虐待してきた。要するに、彼はBully(虐めを行う人物。日本語の「いじめっ子」にはまだ憎めないイメージがあるが、英語のBullyは虐待者に近いニュアンス:筆者注)である。

 偉大なリーダーは、意見が異なる相手のことも敬意をもって対応する。異なる視点と意見がなければ、国を発展させ、創造していくことができないからだ。Bullyであることと強い指導者であることは、全く違う。強いというのは自分の信念を貫くこと。Bullyとは
・・・ログインして読む
(残り:約1636文字/本文:約3233文字)

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。


筆者

田村明子

田村明子(たむら・あきこ) ノンフィクションライター、翻訳家

盛岡市生まれ。中学卒業後、単身でアメリカ留学。ニューヨークの美大を卒業後、出版社勤務などを経て、ニューヨークを拠点に執筆活動を始める。1993年からフィギュアスケートを取材し、98年の長野冬季五輪では運営委員を務める。著書『挑戦者たち――男子フィギュアスケート平昌五輪を超えて』(新潮社)で、2018年度ミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞。ほかに『パーフェクトプログラム――日本フィギュアスケート史上最大の挑戦』、『銀盤の軌跡――フィギュアスケート日本 ソチ五輪への道』(ともに新潮社)などスケート関係のほか、『聞き上手の英会話――英語がニガテでもうまくいく!』(KADOKAWA)、『ニューヨーカーに学ぶ軽く見られない英語』(朝日新書)など英会話の著書、訳書多数。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

田村明子の記事

もっと見る