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権力との癒着の温床「記者クラブ」の「開放」その先にある「廃止」

各メディアの見解は? 10年前の「会見・記者室開放」申し入れから考える

高田昌幸 東京都市大学メディア情報学部教授、ジャーナリスト

新聞協会も「開放」を主張 壮大な建前か

 詳報を伝える前に、マスコミの総本山である日本新聞協会が記者会見や記者室の開放について、どう考えているのかを見ておきたい。公式見解は「記者クラブに関する日本新聞協会編集委員会の見解」に示されている。

 以下、「開放」に関わる部分を抜粋しよう。

 日本の報道界は、情報開示に消極的な公的機関に対して、記者クラブという形で結集して公開を迫ってきた歴史があります。記者クラブは、言論・報道の自由を求め日本の報道界が一世紀以上かけて培ってきた組織・制度なのです。国民の「知る権利」と密接にかかわる記者クラブの目的は、現代においても変わりはありません。インターネットの急速な普及・発展により、公的機関をはじめ、既存の報道機関以外が自在に情報を発信することがいまや常態化しており、記者クラブに対し、既存のメディア以外からの入会申請や、会見への出席希望が寄せられるようになりました。
 記者クラブは、その構成員や記者会見出席者が、クラブの活動目的など本見解とクラブの実情に照らして適正かどうか、判断しなくてはなりません。

 「見解」には「より開かれた存在に」の項目があり、こう記されている。

 記者クラブは、「開かれた存在」であるべきです。日本新聞協会には国内の新聞社・通信社・放送局の多くが加わっています。記者クラブは、こうした日本新聞協会加盟社とこれに準ずる報道機関から派遣された記者などで構成されます。外国報道機関に対しても開かれており、現に外国報道機関の記者が加入するクラブは増えつつあります。
(中略)
 記者会見参加者をクラブの構成員に一律に限定するのは適当ではありません。より開かれた会見を、それぞれの記者クラブの実情に合わせて追求していくべきです。公的機関が主催する会見は、当然のことながら、報道に携わる者すべてに開かれたものであるべきです。

 「見解」は記者室について「記者室を記者クラブ加盟社のみが使う理由はありません」とも明示。記者会見に関しても「クラブ構成員以外も参加できるよう、記者クラブの実情を考慮に入れ努めていかなければならない」と確約調で明記している。

 これらが壮大な「建前」になっているにしても、公式見解は公式見解だ。実際に開放させるためには、「公式見解をその通りに実行してください」という点から出発すれば良いのではないか、と筆者は思う。2010年の悉皆調査に伴う申し入れを各社に行った際も、狙いはそこにあった。

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筆者

高田昌幸

高田昌幸(たかだ・まさゆき) 東京都市大学メディア情報学部教授、ジャーナリスト

1960年生まれ。ジャーナリスト。東京都市大学メディア情報学部教授(ジャーナリズム論/調査報道論)。北海道新聞記者時代の2004年、北海道警察裏金問題の取材班代表として新聞協会賞、菊池寛賞、日本ジャーナリスト会議大賞を受賞。著書・編著に『真実 新聞が警察に跪いた日』『権力VS調査報道』『権力に迫る調査報道』『メディアの罠 権力に加担する新聞・テレビの深層』など。2019年4月より報道倫理・番組向上機構(BPO)放送倫理検証委員会の委員を務める。

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