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コロナ禍に学び、コロナ禍に楽しみ、より良い学校の日常をつくる

住田昌治 横浜市立日枝小学校校長

 昨年の8月から連載を始めた「論座」、今年の3月から7月まではコロナ禍における学校現場の様子や全国の仲間からの声、世の中で話題になっていることへの意見、平常時・緊急時における私の考える学校づくりについて伝えてきた。

「学校の臨時休業があぶり出したことは何か?上「臨時休業から1カ月半、学校は今」「9月入学って、本当にやるんですか?」「いま学校に取り戻さなければならないのは『子どもの楽しみ』だ」「『このままでは学校が危ない!』子どもの笑顔と未来のために考えるべきこと」

「立ち止まって考え、再方向付けすること」が必要だった

拡大明るく、楽しく生きていこうとしている子どもたち

 そして、休校中から学校再開後の見えない圧力やストレス、学校現場の状況を無視した授業時間の確保や学習の遅れを取り戻すことを強いられる日々に疲弊していく子どもと教職員。「もう限界、このままだと倒れる」「イライラして子どもに当たってしまう。子どもの声を聞けなくなってしまった。」「こんな教え込み、詰込み授業をしたいわけではない」「学校現場を知らない人が表面的なことだけ見て決めていることが学校現場を苦しめている」「国は、人と予算を付けて学校現場に任せてほしい。余計なことを言ったり、したりしないでほしい」と、いくつかの自治体の仲間からの悲痛な声。その声に応えて、7月には緊急提言にも近い記事を「論座」に書き、そして、8月21日には、NPO法人「教育改革2020『共育の杜』」のアンケート調査結果公表と提言を行うために文部科学省での記者会見に同席した。

 再任用校長の私が重い腰を上げてメディアを通して訴えなければならないほどに、学校現場は疲弊している。その様子は7月の論座記事「このままでは学校が危ない!」に詳しく書いているのでご覧いただきたい。と、ここまでは、教育評論家や専門家等ではなく、現職の校長が発信することに意味があると思ってやってきた。期待通り、反響もあったし、メディアを通して少しは社会に伝わったと思う。とにかく、コロナ禍において学校ではエッセンシャルワーカーである教職員が元気じゃないとこの危機は乗り切れない。国や自治体には、教職員のメンタルヘルス・健康を最優先する施策を考えてほしいし、学校現場でもお願いしたい。その思いは引き続き発信していきたい。

 しかし、8月からこの「論座」の原稿を書く手が止まってしまった。それには、いくつかの原因があるが、実は、自分自身かなり無理をしていたのだと思う。

 これまでいろいろ書きながら、「こういうことは、自分の学校では起こらないように考えてやっている」「教職員を追い込んだら、子どもためにならない」「教職員の元気が、子どもの元気、学校の元気につながる」「どうしてこんなことをするのだろう」「もっと、やり方を考えないと悪循環に入っていくのに」「優先順位を考えやってほしい」「結局、管理職の問題だなあ」と思うことが多かった。自分が代弁することで、現場の実態を分かってほしいと思うのだが、頭の片隅には、その解決策が常に動き続けていたわけだ。私は、教職員が疲弊しないように、子どもたちが安心して楽しく過ごせるようにと心がけてやってきたので、そちらの方を伝えるのが、本来の自分の在り方だった。それを抑えながら書いてきたので動けなくなってしまったのだと思う。自分を取り戻すことは大事なことだ。ESD(持続可能な開発のための教育)でいつも言っていたこと、「立ち止まって考え、再方向付けすること」が必要だった。

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筆者

住田昌治

住田昌治(すみた・まさはる) 横浜市立日枝小学校校長

 2010年~2017年度横浜市立永田台小学校校長。2018年度~横浜市立日枝小学校校長。 ユネスコスクールに加盟し、ホールスクールアプローチでESDを推進。独自の切り口で実践を重ね、書籍や新聞等で取り上げられる。2015年度は、「もみじアプローチ」でESD大賞小学校賞を受賞。「円たくん」開発など、子どもや教師が対話的・能動的に学習参加し、深い学びにいたるために有効なツール開発と商品化にも積極的に関わる。  ユネスコスクールやESD・SDGsの他、学校組織マネジメントやサーバントリーダーシップ、働き方等の研修講師や講演、記事執筆等を行い、元気な学校づくりで注目されている。  ユネスコアジア文化センター事業推進委員、神奈川県ユネスコスクール連絡協議会会長、神奈川県環境教育研究会会長、全国小中学校環境教育研究会理事、未来への風プロジェクトメンバー、教育長・校長プラットフォームメンバー、横浜市ミニバスケットボール連盟参与を兼務。  著書に「カラフルな学校づくり~ESD実践と校長マインド~2019」(学文社)

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