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「権力者と同じ思考」で働く政治記者たち~菅政権発足の新聞報道を見て

戦前や戦中に活躍した言論人・清沢洌氏の伝えたかったこと

高田昌幸 東京都市大学メディア情報学部教授、ジャーナリスト

1970年代から半世紀続く「政局報道」

 菅政権が発足した翌日の17日朝刊では、各紙に「新閣僚の顔ぶれ」が載った。新政権発足時には全国紙か地方紙かを問わず、必ずと言っていいほど、各新聞にはこうした記事が掲載される。片側1面をほぼ埋め尽くし、なぜか閣僚の似顔絵を使うケースが多い。また、横顔の掲載は片面のみで、見開きのケースはほとんどない。勢い、1人当たりのスペースが狭くなり、紹介文は1人200字前後しかない。これでは、経歴や「趣味はテレビドラマ鑑賞」「好物はステーキ」といった事柄しか書けないだろう。

 筆者が以前に調べたところ、こうした紙面づくりは、少なくとも1970年代には始まっている。半世紀近く続く、“マスコミの伝統芸”と皮肉りたくなるほどの不変ぶりだ。

 それは同時に、「政局報道」と裏表の関係にある。マスコミの政治部は政策取材ではなく、官邸記者クラブをはじめ、平河クラブ(自民党)、野党クラブなどの各記者クラブをベースに連綿と政局取材を続けてきた。社会課題や政策よりも「政局」重視の報道。それこそが、“マスコミの伝統芸”と言ってよいかもしれない。

 一内閣や政党の人事をメディアはどうとらえてきたのか。そこにはどんな問題が潜んでいるのか。大いに参考となる評論を紹介したい。

 戦前や戦中に活躍した言論人・清沢洌氏(きよさわ・きよし、1895〜1945年)の一文である。

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筆者

高田昌幸

高田昌幸(たかだ・まさゆき) 東京都市大学メディア情報学部教授、ジャーナリスト

1960年生まれ。ジャーナリスト。東京都市大学メディア情報学部教授(ジャーナリズム論/調査報道論)。北海道新聞記者時代の2004年、北海道警察裏金問題の取材班代表として新聞協会賞、菊池寛賞、日本ジャーナリスト会議大賞を受賞。著書・編著に『真実 新聞が警察に跪いた日』『権力VS調査報道』『権力に迫る調査報道』『メディアの罠 権力に加担する新聞・テレビの深層』など。2019年4月より報道倫理・番組向上機構(BPO)放送倫理検証委員会の委員を務める。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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