
S級ライセンスを持つ、なでしこジャパンの高倉麻子監督
初代受講者13人でスタート
9月14日、女性指導者限定の最上位資格として新設された「Associate-Pro(A-pro)ライセンス」(Aプロ)のコーチ養成講習会が、今年6月に完成した高円宮記念JFA夢フィールド(千葉市美浜区)で始まった(終了は21年5月)。同ライセンスは、来秋開幕する女子プロサッカーリーグ「WEリーグ」で監督を務めるのに必要な資格となる。コロナウイルス感染拡大防止のために、初日はメディアに公開されなかったが、事前審査で受講を認められた初代受講者13人中、2人の感想が、日本サッカー協会を通じて発表された。
河本菜穂子(49=モンゴルの15歳、18歳以下女子代表監督)は、「スタッフの方々、受講生の人たちとすでに何日も一緒にいたような錯覚をするくらい充実した一日でした」とコメント(抜粋)。初日の講座から収穫が多かったようだ。
また、ジェフユナイテッド市原・千葉で18歳以下の監督を務める三上尚子(39)は、「次世代を引っ張るリーダーの育成という考えのもと、来年スタートするWEリーグでの監督もそうですが、選手にとって選択肢を増やしてあげられる指導者に成長できれば」(抜粋)と、今回の5日間の集中講座に意欲を見せた。
初日に田嶋幸三・日本サッカー協会会長、反町康治・技術委員長らが参加したのは、女性の最上位となるライセンスと受講者への大きな期待感の表れだ。
田嶋会長は、アメリカの女子選手の割合が全体の40%に達し、ドイツでも30%となる世界情勢を例にあげ、「日本も100万人の20%を目標に本気で取り組んでいます。JFAも本気で女子サッカーをバックアップします。本気で女子サッカーを盛り上げていきましょう」と、本気を全コメント中7度も使って「本気度」に思いを託した。ちなみに現在の日本の女子競技人口は、全体の5.6%でしかない。