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発達障害の子たちの「最初の一歩」を支える小児科かかりつけ医

増え続ける発達障害児。だが、専門医の数が少なくて……

松永正訓 小児外科医・作家

1歳6カ月児健診の大事な目的

 では、どうすればいいのでしょうか? それは、子どものかかりつけ医が発達障害に関して最低限の知識を身につけ、発達障害の医療の最前線に立つことだと思うのです。

 私が所属する千葉市医師会でもそういう問題意識があり、これまで勉強会を積み上げてきました。私自身も開業してからこの14年間で自分なりに勉強をしてきました。

 発達障害の最初のチェックは1歳6カ月児健診のときに行われます。この仕事を担うのは専門医ではありません。子どものかかりつけ医です。1歳6カ月児健診の目的のうちで最も大事なものは、発達障害の早期発見だといっても過言ではありません。

 お子さんが言葉や指さしなどの仕草を使って両親とコミュニケーションが取れるか? 同じ年代の子どもに関心があるか? おままごとができるなどの想像力はあるか? 何か同じことにこだわったり、興味が集中したり、反復したりしないか? そういったことを丁寧に診ていく必要があります。

 医師の方から「お子さん、発達がちょっと上手ではない部分がありますね」と声かけをさせていただくと、ほとんどの場合、「実は私も気になっていたんです」と答えが返ってきます。

発達障害が疑われた場合の三つの対応

拡大Lightspring/shutterstock.com

 では発達障害が疑われる場合、どうすればいいのでしょうか。その疑いの程度を三つに分けて対応することになります。

 第一にちょっと発達が遅い場合です。

 このケースでは、お子さんとご両親の間でたくさん遊んでもらうようにお願いします。たくさん声をかけ、一緒に指さしをしてコミュニケーションの絆を太くしていきます。遊んだあとはお子さんとしっかり目を合わせるようにします。つまり、家庭とクリニックでフォローしていきます。

 第二に発達障害が疑わしく、言葉などが遅れている場合。

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筆者

松永正訓

松永正訓(まつなが・ただし) 小児外科医・作家

1961年、東京都生まれ。1987年、千葉大学医学部を卒業し、小児外科医となる。日本小児外科学会より会長特別表彰(1991年)など受賞歴多数。2006年より、「松永クリニック小児科・小児外科」院長。 『運命の子 トリソミー』(小学館)にて2013年、第20回小学館ノンフィクション大賞を受賞。 『発達障害に生まれて 自閉症児と母の17年』(中央公論新社)にて2019年、第8回日本医学ジャーナリスト協会賞・大賞を受賞。 最近の著書に『いのちは輝く わが子の障害を受け入れるとき』(中央公論新社)、『小児科医が伝える オンリーワンの花を咲かせる子育て』(文藝春秋)、『発達障害 最初の一歩』(中央公論新社)がある。

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