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「私は福島を知ってしまった。だから通い続ける」~福島原発訴訟・弁護団事務局長の思い

「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟が問いかけるもの

馬奈木厳太郎 弁護士

1.再び国と東電に勝訴!

 「東電による不誠実な報告を唯々諾々と受け入れることとなったものであり、規制当局に期待される役割を果たさなかったものといわざるを得ない」

 「一般に営利企業たる原子力事業においては、利益を重視するあまり、ややもすれば費用を要する安全対策を怠る方向に向かいがちな傾向が生じることは否定できないから、規制当局としては、原子力事業者にそうした傾向が生じていないかを不断に注視しつつ、安全寄りの指導・規制をしていくことが期待されていたというべきであって、上記対応は、規制当局の姿勢としては不十分なものであったとの批判を免れない」

 仙台高裁の法廷に、裁判長の声が響きます。

 判決言渡しが終わると、期せずして廷内に拍手が沸き起こりました。門前では、「勝訴」「再び国を断罪」「被害救済前進」の3つの旗が、歓声と大きな拍手のなか高らかに掲げられました。

拡大「勝訴」「再び国を断罪」「被害救済前進」の旗を掲げる福島原発訴訟の原告ら=2020年9月30日、仙台市青葉区

 9月30日、爽やかな晴天のなか、「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟(生業訴訟)第一陣の控訴審判決が仙台高裁において言い渡されました。

 生業訴訟は、事故当時、福島県とその隣接県に住んでいた約4000名(第二陣も含めると約4500名)の方々が、国と東電の責任を追及し、原状回復と被害救済を求めてきた裁判です。

 提訴から7年半が経過しましたが、大きな峰を築く判決となりました。

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筆者

馬奈木厳太郎

馬奈木厳太郎(まなぎ・いずたろう) 弁護士

1975年生まれ。大学専任講師(憲法学)を経て現職。 福島原発事故の被害救済訴訟に携わるほか、福島県双葉郡広野町の高野病院、岩手県大槌町の旧役場庁舎解体差止訴訟、N国党市議によるスラップ訴訟などの代理人を務める。演劇界や映画界の#Me Tooやパワハラ問題も取り組んでいる。 ドキュメンタリー映画では、『大地を受け継ぐ』(井上淳一監督、2015年)企画、『誰がために憲法はある』(井上淳一監督、2019年)製作、『ちむぐりさ 菜の花の沖縄日記』(平良いずみ監督、2020年)製作協力、『わたしは分断を許さない』(堀潤監督、2020年)プロデューサーを務めた。演劇では、燐光群『憲法くん』(台本・演出 坂手洋二)の監修を務めた。

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