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「陶磁器の島」へ歩を進める「陶石の島」天草

地場産業を生かした新しい観光地づくり

大矢雅弘 ライター

「天草・島原一揆」の影響も

 その後、水の平焼が1765(明和2)年、丸尾焼が1845(弘化2)年に開窯するなど、現存する窯元が次々と開窯して陶磁器づくりが盛んになっていく。

 「『陶石の島』から『陶磁器の島』へ」を合言葉に、天草にあった八つの窯元が「天草陶磁振興協議会」(当初の名称は「天草陶磁器振興協議会」)を設立したのは1999年7月のことだ。これを機に、老舗の窯元と行政が連携して天草陶磁器の産地化、ブランド化をめざしてさまざまな取り組みが始まった。翌年の2000年に天草で開催された熊本県民文化祭ミレニアム天草の国際陶芸シンポジウムでは「陶石の島から陶磁器の島へ」と題した住民決議が採択された。

 「豊かな自然に囲まれた天草は、日本一の陶石の産地であるとともに、古く江戸時代からすばらしい天草陶磁器をつくりだしてきた。この歴史と伝統を有した天草陶磁器は、大きく飛躍の転機を迎えている。これから、天草の陶芸家、地域住民、行政が一体となり、全国に誇れる『陶磁器の里』づくりをめざして行動し、豊かな文化と活力に満ちた天草をつくることを、ここに決議する」

 この決議を受け、天草市は2001年度から3年間、「陶芸のまちづくり事業」を実施した。2003年には、天草陶磁器が国の伝統的工芸品に指定された。熊本県内の工芸品としては初めての

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筆者

大矢雅弘

大矢雅弘(おおや・まさひろ) ライター

朝日新聞社で社会部記者、那覇支局長、編集委員などを経て、論説委員として沖縄問題や水俣病問題、川辺川ダム、原爆などを担当。天草支局長を最後に2020年8月に退職。著書に『地球環境最前線』(共著)、『復帰世20年』(共著、のちに朝日文庫の『沖縄報告』に収録)など。

 

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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