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関越道の大量立ち往生を「予想外の大雪で…」で片付けてはいけない

全国各地の雪害の事例報告から今後の対策を提言する

古本尚樹 防災・危機管理アドバイザー

 今(2020年12月20日)、自宅周辺の除雪を1時間ほど行ってから、この原稿を作成している。札幌周辺、特に北部地域はここ連日大雪になっており、一日3~4回除雪をしている。今月初めくらいまで根雪がなく、地球温暖化は札幌の降雪量に良い意味で影響があるかと思っていた矢先の「ドカ雪」だ。北国では、毎年変わらない光景だ。

 私は「北国」育ちであることから、雪氷災害と関連した各地の除雪に関わる課題、医療や保健・福祉に関わる分野において、調査・分析を行ってきた。

 実はこの問題は、北日本だけではなく、九州や四国を含む西日本でもたびたび問題になってきた。私が以前、熊本大学で研究職をしていた時も、特に救急搬送の際、熊本地震後の道路う回で凍結路面を通行しなければならない問題が浮上した。雪氷災害は北から南までの課題なのだ。

 なお、調査で驚いたのは、四国の山間部ではタイヤをスタッドレスに変えるのは普通のことだと地元住民に指摘された時と、新潟県津南町で屋根雪を重機使って除雪する光景を目の当たりにした時だった。後者は、正直「上には上がある」と思い出す。

 まず、以下の災害種別による犠牲者数(行方不明者数を含む)を見てもらいたい(内閣府サイトより)。

拡大

 雪害(雪氷災害)は毎年コンスタントに概ね2桁の犠牲者が出ていて、3桁に及ぶ年もある。他の風水害や地震・津波等がひとたび発生すれば大きな被害が出るのとは対照的に、毎年各地で一定数の被害が出ている災害といえるだろう。

 犠牲者の内訳は、除雪作業中の屋根からの落下や除雪機の誤操作、除雪車との事故などで、特に高齢者の犠牲者が多くなっている。今シーズンのケガ人の原因も同様だ。

 首都圏等で、降雪による影響で駅付近に長蛇の列ができたり、電車内で長時間の待機を強いられたりする、いわゆる帰宅難民や出社難民の問題もある(正確には帰宅困難者)。これに関して、私はかつてJR西日本あんしん社会財団の研究助成を受けて、JR東日本や小田急といった私鉄を含め鉄道会社が取り組む内容や課題について調査・分析をした。

 降雪による、特に冬期間の滞留について、事例とともに考察したい。

拡大関越道上り線で立ち往生した車列=2020年12月18日午後、新潟県南魚沼市

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筆者

古本尚樹

古本尚樹(ふるもと・なおき) 防災・危機管理アドバイザー

1968年生まれ。札幌市在住。  札幌光星高等学校普通科卒業、北海道大学教育学部教育学科教育計画専攻卒業、北海道大学大学院教育学研究科教育福祉専攻修士課程修了、北海道大学大学院医学研究科社会医学専攻地域家庭医療学講座プライマリ・ケア医学分野(医療システム学)博士課程修了 博士【医学】、東京大学大学院医学系研究科外科学専攻救急医学分野医学博士課程中退(以上、学歴)  浜松医科大学医学部医学科地域医療学講座特任助教、東京大学医学部附属病院救急部特任研究員、公益財団法人ひょうご震災記念21世紀研究機構阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター研究部主任研究員、熊本大学大学院自然科学研究科附属減災型社会システム実践研究教育センター特任准教授、公益財団法人地震予知総合研究振興会東濃地震科学研究所主任研究員を経て、現在は防災・危機管理アドバイザー。専門分野は新型コロナウィルス対策(特に住民・自治体・企業対策、また企業の従業員健康や雇用への対策、企業業務継続計画[BCP]、経済との関係等)、企業危機管理、災害医療、自然災害における防災対策・被災者の健康問題等。銀行や自治体等の人材育成にも携わっている。西日本放送(香川県)と信越放送(長野県)でラジオコメンテイター。ホームページはhttps://naokino.jimdofree.com/

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