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トランプに扇動された支持者の暴走で、共和党議員の予言が現実に

「トランプを選んだら共和党は破滅」、そして「トリプルブルー」の成就

田村明子 ノンフィクションライター、翻訳家

BLM抗議デモとあまりにも違う対応

連邦議会議事堂に集まったトランプ大統領の支持者たち=ランハム裕子撮影拡大連邦議会議事堂が占拠されるという異常事態に=2020年1月6日 ランハム裕子撮影

 それにしても2020年の春にD.C.でも行われたBLM(ブラック・ライブズ・マター)デモ抗議の対応と比べてみると、「法と秩序」を掲げたトランプ政権の偽善ぶりがよくわかる。

 BLMのデモ行進では6月1日だけでも、289人の逮捕者が出た。その大多数は武器も所持せず、きちんとマスクも着用して平和に行進する人々だった。それにもかかわらず、州兵たちは近距離から催涙弾、ゴム弾を発射し、無抵抗の人々に殴りかかり、大勢の負傷者が病院に運ばれた。

 さらにまた、報道パスを下げて撮影していたテレビのロケ隊も、州兵らのターゲットにされて襲撃され、失明した被害者も出ている。これは平和的集会、報道の自由を保障する、アメリカ合衆国憲法修正第1条に明らかに違反する行為だった。

 対して今回のトランプ支持者たちは、大多数がノーマスクの状態で密集。そしてほとんど阻止されることなく、簡単に議事堂に乱入している。中には能天気に、議事堂内部の写真をSNSにあげて自慢する支持者もいた。だがその後、口から血を流して助けを求める警官、暴徒に襲われて機材を破壊されるニューヨーク・タイムズのカメラマンなどの映像が流され、次々と酸鼻極まる暴挙の実態が明らかになっていった。敷地内では2つのパイプ爆弾と、多数の武器が積み込まれた車も発見された。

 ここまで来れば、もはや抗議活動ではなく、明らかな国家に対するテロ犯罪行為である。それを考慮すると、これだけの騒ぎで当日の逮捕者がたった52人というのは、驚くほど低い数字ではあった。現在FBI(連邦捜査局)介入の下、映像に映っていた暴徒たちの身元が明らかにされていくにしたがって、逮捕者は増えつつある。

 集まったトランプ支持者の大多数は白人男性だったが、同じ人数の黒人が武装して、会議中の議事堂前に集結していたら、

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筆者

田村明子

田村明子(たむら・あきこ) ノンフィクションライター、翻訳家

盛岡市生まれ。中学卒業後、単身でアメリカ留学。ニューヨークの美大を卒業後、出版社勤務などを経て、ニューヨークを拠点に執筆活動を始める。1993年からフィギュアスケートを取材し、98年の長野冬季五輪では運営委員を務める。著書『挑戦者たち――男子フィギュアスケート平昌五輪を超えて』(新潮社)で、2018年度ミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞。ほかに『パーフェクトプログラム――日本フィギュアスケート史上最大の挑戦』、『銀盤の軌跡――フィギュアスケート日本 ソチ五輪への道』(ともに新潮社)などスケート関係のほか、『聞き上手の英会話――英語がニガテでもうまくいく!』(KADOKAWA)、『ニューヨーカーに学ぶ軽く見られない英語』(朝日新書)など英会話の著書、訳書多数。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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