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新聞社は消えても、取材のノウハウを残せ!

取材手法を市民と共有する仕組みをつくろう

高田昌幸 東京都市大学メディア情報学部教授、ジャーナリスト

新聞社が取材手法を公開する

 いま、地方紙では「オンデマンド調査報道」が盛んになっている。読者の取材依頼に基づいて記者が取材に動き、その結果を記事にするという試みだ。

 皮切りは西日本新聞(福岡県)が2018年に始めた「あなたの特命取材班」(あな特)。LINEなどのSNSツールで読者とつながり、双方向性を維持しながら取材を進める仕組みだ。「あな特」は読者の関心を呼び、同様の枠組みを設ける地方紙が多数現われた。今では、北海道から沖縄まで25の地方紙が集結し、オンデマンド調査報道の「JODパートナーシップ」を結んでいる。参加紙の間では、共同取材や記事交換なども実施されている。

 この取り組みも、取材ノウハウの共有に通じるだろう。地方紙の地理的な制約を取り払い、取材と記事の質を向上させる可能性も大きい。

拡大西日本新聞「あなたの特命取材班」のHP

 しかしながら、社会の公共物とも言える取材手法や知恵の蓄積をきちんと次世代にバトンタッチしていくという意味から判断すれば、前述したような取り組みだけでは、新聞の衰退速度に追いつくまい。

 では、不足しているものは何か。筆者の見立てでは、取材手法と知恵の蓄積に関し、その共有を「取材のプロ同士」にとどめず、広く市民にも開放することである。

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筆者

高田昌幸

高田昌幸(たかだ・まさゆき) 東京都市大学メディア情報学部教授、ジャーナリスト

1960年生まれ。ジャーナリスト。東京都市大学メディア情報学部教授(ジャーナリズム論/調査報道論)。北海道新聞記者時代の2004年、北海道警察裏金問題の取材班代表として新聞協会賞、菊池寛賞、日本ジャーナリスト会議大賞を受賞。著書・編著に『真実 新聞が警察に跪いた日』『権力VS調査報道』『権力に迫る調査報道』『メディアの罠 権力に加担する新聞・テレビの深層』など。2019年4月より報道倫理・番組向上機構(BPO)放送倫理検証委員会の委員を務める。

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