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今年の大雪は危険! 立ち往生再び、除雪中の事故も急増

古本尚樹 防災・危機管理アドバイザー

立ち往生を回避するためには

 一番の対策は、ドライバーが気象予報を把握し、危険が察知される場合はその個所を通過しないようにすることである。降雪の予報が出ている場合は、立ち往生する可能性がより少ないルートを選択し、そのリスクを最大限抑えるドライバーの危機管理対策が不可欠だ。

 ひとたび大規模な立ち往生が発生すれば10時間以上続くことは珍しくない。遠回りでも、荒天にならないルートを最初から通るほうが賢明である。気象条件にどれだけ敏感になれるかが重要だ。

拡大車の立ち往生が続き、車道に人影が見える北陸自動車道=2021年1月10日、福井県坂井市周辺
 最近の豪雪は局地的である。降り始めた時にはすでに手遅れになっていることがほとんどだ。道路管理者の除雪能力には限界がある。しかも除雪は車両が除かれた状態でなければできないため、立ち往生が発生してからの対応は困難を極める。

 また、立ち往生で物流が滞れば市民生活のうち特に消費生活活動が停滞する。商品棚から物が無くなる、価格の高騰などはこれまで幾度となく経験してきた。生鮮食品でも葉物と呼ばれる、キャベツやレタス、ホウレンソウなどは天候や物流の影響を受けて品不足になりやすく高騰しやすい。だから立ち往生の発生自体を防ぐことが肝要だ。

 さらに現在は新型コロナ禍である。感染リスクを抑えるため、ソーシャル・ディスタンスを確保しなければならない。除雪作業や支援物資の配布の際に注意が必要となる。その結果、大人数で一斉に作業することは難しく、それだけ時間もかかる。

 我が国の災害時の物流は脆弱で、すぐに店頭での品不足になりやすい。小売店の多くは在庫をあまり置かないシステムになっているうえ、流通経路が多層にわたっていることから、災害対応に適していない面は否めない。

過去にもあった北陸道の立ち往生

 北陸自動車道では2018年1月にも立ち往生が発生し、400台以上の車両が巻き込まれた。同年2月には国道8号で最大1500台の立ち往生が発生した。大型車の脱輪などによる渋滞や、並走する北陸自動車道の通行止めによる車流入が原因とみられる。

 こうした過去の事例から道路管理者を中心に対策が講じられてきたが、今回も立ち往生を防ぐことができなかった。

 北陸地域の高速道また一般道における冬期間の安全対策は、ハード面とソフト面の双方から見直しが必要と思われる。

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筆者

古本尚樹

古本尚樹(ふるもと・なおき) 防災・危機管理アドバイザー

1968年生まれ。札幌市在住。  札幌光星高等学校普通科卒業、北海道大学教育学部教育学科教育計画専攻卒業、北海道大学大学院教育学研究科教育福祉専攻修士課程修了、北海道大学大学院医学研究科社会医学専攻地域家庭医療学講座プライマリ・ケア医学分野(医療システム学)博士課程修了 博士【医学】、東京大学大学院医学系研究科外科学専攻救急医学分野医学博士課程中退(以上、学歴)  浜松医科大学医学部医学科地域医療学講座特任助教、東京大学医学部附属病院救急部特任研究員、公益財団法人ひょうご震災記念21世紀研究機構阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター研究部主任研究員、熊本大学大学院自然科学研究科附属減災型社会システム実践研究教育センター特任准教授、公益財団法人地震予知総合研究振興会東濃地震科学研究所主任研究員を経て、現在は防災・危機管理アドバイザー。専門分野は新型コロナウィルス対策(特に住民・自治体・企業対策、また企業の従業員健康や雇用への対策、企業業務継続計画[BCP]、経済との関係等)、企業危機管理、災害医療、自然災害における防災対策・被災者の健康問題等。銀行や自治体等の人材育成にも携わっている。西日本放送(香川県)と信越放送(長野県)でラジオコメンテイター。ホームページはhttps://naokino.jimdofree.com/

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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