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コロナ禍の学校 「今変わらなきゃいつ変わる?」

形状記憶マインドからの脱却

住田昌治 横浜市立日枝小学校校長

 2021年、今後ワクチンを受ける人が増えれば、感染の勢いは抑えられると思うが、コロナ前と同じ生活に戻ることはできないだろう。しかし、感染が確認されてから1年、まだ分からないこともたくさんあるが、色々な経験を通してコロナ禍における学校生活の在り方もある程度分かってきた。2021年はもっと安心して過ごせる学校生活になることを期待している。

学校に課せられたさらに厳しい感染対策

拡大オンラインで企業と打ち合わせをする子どもたち

 2020年後半、学校では、短かった夏休みが終わって4カ月、やっと冬休みに入った。そして、年末年始、今でもなお新型コロナウイルス感染症陽性者は増える一方、寒波が押し寄せ例年になく大雪に見舞われた被害にあった所も多くあった。県をまたいだ移動や人の往来、会食も控えるような雰囲気はあったが、まちには人はあふれていた。

 しかし、感染拡大地域から地方に異動するのはかなりハードルが高そうだ。相変わらず感染者に対する差別や医療従事者へ誹謗中傷もなくならない。コロナ禍が収まる気配もなく、我慢も限界と普通に行動する人も増えてきた。もちろん、ほとんどの人はマスクをしているし、手洗いや検温等はしっかりやっているようだ。コロナ禍が引き起こした問題はたくさんあるが、私たちの努力で解決することがあるのだろうか。誰もどうしたらいいか分からない中で、考え、話し合い、判断し、行動してきた。この迷いと不安の状態はしばらく続きそうだ。

 2021年1月7日、菅義偉首相は、東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県の1都3県に緊急事態宣言を再発令。2020年4月に、初めて緊急事態宣言が発令された際には多くの教育機関が休校措置を取った。この休校措置について、西村康稔経済再生担当相は「2回目となる緊急事態宣言が発令されても、小中学校の一斉休校は必要ない」と考えを示した。

 その理由としては、「小中学校がクラスター源となるリスクは低いため」であり、小中学校についても「これまでの知見から、そこがクラスター源となって地域全体に広がるリスクは低い。一斉休校は今の時点では考えていない」と言うことだった。この状況で、学校を開き続けるということは、さらに厳しい感染対策を強いられることになるだろう。現場での対応や実態については、現場の様子を把握した上で、次回お伝えしたいと思う。


筆者

住田昌治

住田昌治(すみた・まさはる) 横浜市立日枝小学校校長

 2010年~2017年度横浜市立永田台小学校校長。2018年度~横浜市立日枝小学校校長。 ユネスコスクールに加盟し、ホールスクールアプローチでESDを推進。独自の切り口で実践を重ね、書籍や新聞等で取り上げられる。2015年度は、「もみじアプローチ」でESD大賞小学校賞を受賞。「円たくん」開発など、子どもや教師が対話的・能動的に学習参加し、深い学びにいたるために有効なツール開発と商品化にも積極的に関わる。  ユネスコスクールやESD・SDGsの他、学校組織マネジメントやサーバントリーダーシップ、働き方等の研修講師や講演、記事執筆等を行い、元気な学校づくりで注目されている。  ユネスコアジア文化センター事業推進委員、神奈川県ユネスコスクール連絡協議会会長、神奈川県環境教育研究会会長、全国小中学校環境教育研究会理事、未来への風プロジェクトメンバー、教育長・校長プラットフォームメンバー、横浜市ミニバスケットボール連盟参与を兼務。  著書に「カラフルな学校づくり~ESD実践と校長マインド~2019」(学文社)

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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