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「孤独対策担当大臣」を設け、今年を「対策元年」に~相談窓口を立ち上げた大学生の提言

ボランティアを「最後の砦」にせず、政治が責任をもつとき

大空幸星 NPO法人あなたのいばしょ理事長・慶應義塾大学総合政策学部生

孤独対策担当大臣のもとで効果のある政策を

 1月21日、菅総理は国民民主党の玉木代表の代表質問に対し「望まない孤独の問題が一層顕在化している」「この問題に取り組む」として、日本の総理としては初めて孤独が問題であるとの認識を示し、また孤独対策に取り組むことも表明した。自民党は鈴木貴子氏ら若手議員を中心に孤独対策勉強会を設立し、野党も国民民主党の玉木代表や伊藤孝恵議員を中心に党派を問わない座組みを作ることを検討している。

 孤独の問題に対処するということは、ひとりで悩み苦しんでいる人に手を差し伸べる、自立できない人を切り捨てないという政治の「責任」であり、多くの政治家がその責任を自覚しはじめている事を率直に評価したい。

 しかし、課題は山積している。孤独対策は、子どもの孤独(文部科学省)、団地や高層マンションなど孤独のリスクが高い住宅(国土交通省)、自衛官の孤独(防衛省)、スポーツを活用した孤独対策(スポーツ庁)など、各省庁にまたがる政策テーマであり、法制化によって孤独に取り組むという国としての意思表明をおこない、各省庁間の調整を図る必要がある。また、孤独という個人の主観的な感情が政策課題の対象となった事例は、イギリスやフランスをのぞいて、世界的にもあまり例がなく、孤独が与える影響は判明していても、それにアプローチする政策に関する情報や蓄積されたエビデンスが乏しいのが現状だ。

 こうした課題を整理し、解決するためには、内閣府の特命担当大臣として孤独対策担当大臣を設置し、リーダーシップを発揮できる人材を登用するべきである。そのうえで大臣の下で、各省庁間の調整、定義策定の調査、エビデンスに基づいた効果的な施策の検討と実施等を行うべきだ。

 善意のボランティアによって成り立ち、最後の砦となっている相談窓口に頼りきるのではなく、政治が責任を持って、望まない孤独に苦しんでいる人に手を差し伸べる社会の実現を目指すべく、今年を孤独対策元年と位置づけ、とりくみを早急に始めるべきである。

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筆者

大空幸星

大空幸星(おおぞら こうき) NPO法人あなたのいばしょ理事長・慶應義塾大学総合政策学部生

1998年、愛媛県松山市生まれ。「信頼できる人に気軽・簡単・確実にアクセスできる社会の実現」と「望まない孤独の根絶」を目的に、あなたのいばしょを設立。孤独対策、若者の社会参画をテーマに活動している。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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