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近代五輪125年 あり方そのものが問われる歴史的転換期 

〝東京〟からの情報発信が重要なカギに

増島みどり スポーツライター

東京オリンピックに足りない国内外への発信力

 世論調査を引用する海外メディアから「中止が内々に結論付けられた」(英紙タイムズ電子版)、「第二次世界大戦後 初めてオリンピック開催中止に追い込まれるかもしれない」(ニューヨーク・タイムズ紙)と記事が報じられ、その度に、政府、組織委員会はお約束のように「IOCと緊密に連携している」との配慮を示したうえで、否定に躍起になる。報道だけではない。

 古参と言われるIOC委員らが観測気球的な発言をするのも、過去の開催地関係者が「開催は不可能」と話すのも全て海外発。その度に、国内のメディアがこれを追随して確認に追われる状況だ。東京オリンピックが、試合の勝敗を決めるはずの、もっとも大事な局面で常に「リアクション」を強いられている。スポーツ同様に戦術変更が、今後の重要な課題となる。コロナ禍での五輪開催に、様々な問題を洗い出し、医療関係者や感染学の専門家、自治体、省庁をまたいで五輪実施のために3カ月6回の議論を重ねてまとめた「中間整理案」が存在しているのに、

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筆者

増島みどり

増島みどり(ますじま・みどり) スポーツライター

1961年生まれ。学習院大卒。84年、日刊スポーツ新聞に入社、アマチュアスポーツ、プロ野球・巨人、サッカーなどを担当し、97年からフリー。88年のソウルを皮切りに夏季、冬季の五輪やサッカーW杯、各競技の世界選手権を現地で取材。98年W杯フランス大会に出場した代表選手のインタビューをまとめた『6月の軌跡』(ミズノスポーツライター賞)、中田英寿のドキュメント『In his Times』、近著の『ゆだねて束ねる――ザッケローニの仕事』など著書多数。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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