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マスクで気付く「息」の不思議~コロナ禍が示す大自然からの警告

誰が、息をしてるのだろうか?

藤森宣明 ハワイ・ホノルル・パロロ本願寺開教使

マスクが問う息

 マスクをしていると息がしにくいですよね。マスクをしてない時は、当たり前に息をしていると思って何も感じない自分がいました。しかし、マスクをしだすと、私は、息をして、吐いていることを、より認識させられます。

 皆さんもマスクをしたことによって、息について感じることがありませんか? マスクを通して「誰が、息をしてるのか?」という問いがでてきます。

 「自分が吸ったり吐いたりしてるんだから、息は、自分がしてるに決まってるだろう」「そんな変な問いを出すな」と叱られそうですね。

 でも、私はコロナが我々にマスクをさせて、「もっと呼吸について探求しなさい」と言っているように思えてきたのです。

息の不思議さ

 私は、坊さんをしていますので、職業柄、死の瞬間に付きそうことがあります。これまで数十人の方々の死の瞬間に付き添わせていただきました。

 死期が近づくと一つ一つの呼吸が鮮明になってくるのがはっきりわかります。人間は息を吸って止まるという人がいます。ですが、こんなにたくさんの最後の瞬間に付き添っていたのに、私は、最後が吸っていたのか、吐いていたのかあまり記憶にないのです。曖昧なのです。そして、生まれてくる時ですが、息を吐いて生まれるという人がいますが、自分は、生まれてきた瞬間も、また、息を吸ったのか吐いたのか記憶にないのです。

 私達は、息を吸うことも吐くことも意識しないで生きています。息をしていることは、本当に不思議ですよね。自分の力以上の働きを感じませんか?

 死にゆく人たちに付き添ってきた経験から、一つ危惧することがあります。地球上に生きる全人類がマスクをし始めた結果、呼吸というものに意識を振り向けるようになった今の時代は、死期が迫る人たちの呼吸に意識が集まる状況に似てきたなと思ったりもします。なんだか、我々人類の死期が迫っている予兆なのかなと思ったりすることもあります。そうならない方向を見出すためにも、息について確かめる必要があると思ったりもします。

ハワイで息について考える場所

 息について、考えるいい場所がハワイにあります。日本からハワイに来られる方があると是非連れていってあげたいところなんです。

 それはオアフ島の西にある「ワイアナエ コースト コンプリヘンジブ ヘルス センター(Waianae Cost Comprehensive Health Center)」という、先住民ハワイアンの方々の考え方で作られたユニークな病院です。

拡大ハワイ先住民の伝統的考えに沿って設立されたWCCHC病院。大田千栄美さん撮影

 私は、東日本大震災の後、福島の方々にハワイに来ていただく交流プログラムをやってきました。2018年のプログラムに看護師を目指す学生さん達が参加してくださいましたので、将来の看護師さんに福島の将来の病院の在り方を考えてほしいと思い、そのワイアナエの病院を共に訪れました。

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筆者

藤森宣明

藤森宣明(ふじもり・のりあき) ハワイ・ホノルル・パロロ本願寺開教使

1958年生まれ。アイヌの人々が住む北海道の大地に育ち、ハワイ先住民が「開発」に直面して苦悩する姿を知り、ハワイ・カウアイ島に渡る。ハワイ先住民とアイヌの交流プログラムを立ち上げ、先住民目線で開発問題に取り組む。タイやフィリピンを中心とする東南アジア、ブラジルなど南米にも活動範囲を広げる。宗教、先住民、開発という視点から「生きるということ」の意味を問い続けている。photo by Lighthouse Hawaii

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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