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Qアノンと日本発の匿名掲示板カルチャー【2】

西村博之とジム・ワトキンスの2ちゃんねる骨肉の争い/下

清義明 ルポライター

2ちゃんビジネスの転機

 この二つの事件に関する家宅捜索と西村氏の起訴は、2ちゃんねるのビジネスにとって大きなポイントとなった。理由は二つ。

 西村氏のみならず未来検索ブラジル社も2ちゃんねるの関係会社とみなされたこということだ。

 未来検索ブラジル社は、2ちゃんねるの管理責任と同社は全く関係ないと主張し、違法な捜査として、2013年に国家賠償請求を民事裁判に訴えた。未来検索ブラジル社の子会社の東京産業新聞社のウェブサイト『ガジェット通信』では、その裁判の訴状を「『2ちゃんねる』捜査に国家賠償請求訴訟」と題して掲載した(注2)。この裁判は2016年に東京地方裁判所にて判決が出た。未来検索ブラジル社の敗訴である。未来検索ブラジル社は東京高裁と最高裁判所にそれぞれ上告したがいずれも請求は棄却された。もちろん未来検索ブラジル社はそのことを伝えていない。

拡大ジム・ワトキンス氏が運営する「5ちゃんねる」の一画面

 未来検索ブラジル社等による国家賠償請求の裁判記録によれば、数々の削除要請や出頭要請、捜査協力などに応じない西村氏の2ちゃんねるに対して、警察はその書き込みデータを押収するために、西村氏と未来検索ブラジル社を家宅捜索し証拠となるパソコンやハードディスクなどを押収した。

 これは未来検索ブラジル社が西村氏との協業しているばかりではなく、2ちゃんねると一体化して「深く関与」(未来検索ブラジル社等による国家賠償請求の裁判記録より)しているとのみなしたからだ。

 そして二つめには、これまで西村氏が主張していたビジネススキーム、つまり「サーバーが海外にあれば、日本の法律は通用しない」という図式が崩壊

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筆者

清義明

清義明(せい・よしあき) ルポライター

1967年生まれ。株式会社オン・ザ・コーナー代表取締役CEO。著書『サッカーと愛国』(イースト・プレス)でミズノスポーツライター賞優秀賞、サッカー本大賞優秀作品受賞。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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