メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

news letter
RSS

外圧に屈した日本の記者クラブ~閉鎖的とされる記者クラブ、30年前から外国人記者に開放されていた

語学力・取材力不足の外国人記者によるセンセーショナリズム

小田光康 明治大学ソーシャル・コミュニケーション研究所所長

センセーショナルな記者クラブ批判は外国人記者の取材力不足の側面も

 記者クラブに加盟できたとしても、非常勤・非常駐であれば新聞協会が定めるような記者のワーキングスペースとはほど遠いのが実態だった。記者クラブ加盟について制度的な参入障壁は撤廃されたものの、そこでの取材活動については実質的な障壁が存続した。このため、欧州連合(EU)の駐日欧州委員会代表部が2002年と2003年の2回にわたって、日本政府に対して記者クラブ制度の廃止を盛り込んだ「日本の規制改革に関するEU優先提案」を提出した。

拡大wellphoto/shutterstock.com

 ただ、外国人記者からの記者クラブ批判は鵜呑みにすべきで無い。こうした主張を繰り広げる外国報道機関の外国人記者が、記者クラブ加盟や記者会見出席の手続きに直接携わったケースは多いとはいえないからだ。元ニューヨーク・タイムズ東京支局長の米国人ジャーナリスト、マーティン・ファクラー氏は日本の記者クラブの閉鎖性を痛烈に批判している。筆者は彼とブルームバーグ通信で1990年代終盤、短期間だが総会屋事件などでチームを組んで取材した経験がある。

・・・ログインして読む
(残り:約602文字/本文:約3271文字)


筆者

小田光康

小田光康(おだ・みつやす) 明治大学ソーシャル・コミュニケーション研究所所長

1964年、東京生まれ。米ジョージア州立大学経営大学院修士課程修了、東京大学大学院人文社会系研究科社会情報学専攻修士課程修了、同大学院教育学研究科博士課程満期退学。専門はジャーナリズム教育論・メディア経営論、社会疫学。米Deloitte & Touche、米Bloomberg News、ライブドアPJニュースなどを経て現職。五輪専門メディアATR記者、東京農工大学国際家畜感染症センター参与研究員などを兼任。日本国内の会計不正事件の英文連載記事”Tainted Ledgers”で米New York州公認会計士協会賞とSilurian協会賞を受賞。著書に『スポーツ・ジャーナリストの仕事』(出版文化社)、『パブリック・ジャーナリスト宣言。』(朝日新聞社)など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

小田光康の記事

もっと見る