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権力と一体化する司法記者クラブと、マスコミ業界内のズブズブの関係

「特ダネ」誘導と同調圧力が利用される

小田光康 明治大学ソーシャル・コミュニケーション研究所所長

司法権力と記者クラブによる部外者排除

 1990年代終盤、山一証券の粉飾決算事件や日本興業銀行や日本長期信用銀行の不良債権問題など日本が金融制度と会計監査制度のグローバル化の波に飲み込まれた。一連の国内金融機関の破綻劇は、宗主国の米国が経済で調子に乗りすぎた属国の日本に加えたペナルティ という側面がある。その道具が会計監査制度だ。これを操作することで、企業の収益や株価、資金調達力を左右できる。

 当時、筆者はブルームバーグ通信でチームを組んでこれらを取材した。朝日新聞から転職してきた先輩記者と新人の後輩記者が東京地検特捜部と証券取引等監視委員会を主に担当し、筆者はこれらを補助しつつデロイト・トウシュ・トーマツ などの国際会計事務所や米国証券取引委員会(SEC)、米国財務会計基準審議会(FASB)を担当した。

拡大jo.pix/shutterstock.com

 少し専門的だが、総合商社など日本の有力企業は当時から、米国預託証券(ADR)を介してニューヨーク証券取引所で資金調達をしていた。その規制当局がSECであり、会計監査人が国際会計事務所、そして日本を含め世界の会計基準に大きな影響を与えるのがFASBだった。

 国内の取材では記者クラブの厚い壁にぶち当たった。筆者らは司法記者クラブに、そこで開かれる東京地検特捜部検事への懇談への参加申請をした。すると記者クラブからは「懇談は東京地検がすることだから、東京地検に申し込んでくれ」と一点張り。東京地検からは「司法記者クラブでの経験が無いものは、参加はできない」と門前払いを食らった。記者クラブと司法権力が共謀して部外者を排除しようとしていた。

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筆者

小田光康

小田光康(おだ・みつやす) 明治大学ソーシャル・コミュニケーション研究所所長

1964年、東京生まれ。米ジョージア州立大学経営大学院修士課程修了、東京大学大学院教育学研究科博士課程満期退学。専門はジャーナリズム教育論・メディア経営論、社会疫学。米Deloitte & Touche、米Bloomberg News、ライブドアPJニュースなどを経て現職。五輪専門メディアATR記者、東京農工大学国際家畜感染症センター参与研究員などを兼任。日本国内の会計不正事件の英文連載記事”Tainted Ledgers”で米New York州公認会計士協会賞とSilurian協会賞を受賞。著書に『スポーツ・ジャーナリストの仕事』(出版文化社)、『パブリック・ジャーナリスト宣言。』(朝日新聞社)など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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