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半世紀以上前の「ママさん選手」と、不屈の柔道家がオリンピックに遺したもの

日本スポーツ界の2人のレジェンド、古賀稔彦氏と小野清子氏を悼む

増島みどり スポーツライター

 3月25日、1年延期された東京五輪・パラリンピックの聖火リレーが、2011年3月の東日本大震災後、福島第一原子力発電所事故の対応拠点となったスポーツ総合施設「Jヴィレッジ」からスタートした。スローガンは「希望の道を、つなごう」。

全国859自治体を約1万人が走る 希望の道を、つなげるか

 新型コロナウイルス感染予防対策のため、出発前の式典も無観客で実施されたが、福島県民が披露したパフォーマンスは1年延期の空白を全く感じさせなかった。県の国指定重要無形民俗文化財「相馬野馬追」、会津田島太鼓保存会「白鼓」(びゃっこ)による太鼓演奏、スパリゾートハワイアンズ・ダンシングチーム「フラガール」のダンス、福島県立福島西高校デザイン科学科の作品披露、震災で活動を長く停止した南相馬市のマーチングバンド「シーズプラス」の演奏、合唱が盛んな郡山市の郡山第五中と朝日が丘小学校が合同で「花は咲く」を歌った。その後、聖火が登場すると組織委員会・橋本聖子会長は涙ぐみ、ほかにも式典の出席者や、場内で涙を流す関係者の姿もあった。

 福島ではいまだに約6万人が県内外での避難生活を強いられている。内堀正雄県知事は「復興もまだ道半ば。新型コロナウイルスにも対応しなくてはいけない。しかしこの灯で、もう一度皆さんの心をひとつにしたいと心から願っています」と厳しい表情であいさつ。聖火は、11年W杯で優勝を果たしたサッカー女子日本代表「なでしこジャパン」によって、ドーム型の屋内ピッチから全国859自治体、121日間の旅に駆け出した。

 焦点は、コロナウイルスの感染再拡大も危惧されるなか、安全を最優先しながら7月23日の国立競技場に到着できるかだ。同時に、開催反対が圧倒的多数の世論にわずかでも変化をもたらし、人びとの共感を得られるかにある。

 組織委員会は、リレースタートの前に、感染予防のため、海外からの観客受け入れ断念を発表。リレー中の感染予防対策を公開し、さらに日々起きる問題や課題に「対応チーム」を結成して素早い改善策を出すなど、機運を何とか盛り上げようと試みている。

拡大聖火リレーの出発式では、スパリゾートハワイアンズの「フラガール」によるフラダンスが披露された=2021年3月25日、福島県のJヴィレッジ

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筆者

増島みどり

増島みどり(ますじま・みどり) スポーツライター

1961年生まれ。学習院大卒。84年、日刊スポーツ新聞に入社、アマチュアスポーツ、プロ野球・巨人、サッカーなどを担当し、97年からフリー。88年のソウルを皮切りに夏季、冬季の五輪やサッカーW杯、各競技の世界選手権を現地で取材。98年W杯フランス大会に出場した代表選手のインタビューをまとめた『6月の軌跡』(ミズノスポーツライター賞)、中田英寿のドキュメント『In his Times』、近著の『ゆだねて束ねる――ザッケローニの仕事』など著書多数。

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