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カップルが自由に姓を選ぶ「なんでもあり」 英国

【2】夫と妻の立場が法的に平等になるには長い長い時間がかかっている

冨久岡ナヲ ジャーナリスト

存在を消される妻たち

 200年くらい前まで、女性は結婚するまでは父親に属し、結婚したら夫の庇護のもとに入るということがしごく当たり前とされていた。妻が実家から持ってきた財産も、働いて得た収入もすべては夫の懐に入るのだ。キリスト教式の結婚式で新婦の父が新郎に娘を引き渡す儀式はいまだに続き、妻が主婦の場合には夫が家計を握っている家庭が多く日本のように逆の例は稀、など昔からの習慣は随所に残っている。

 同姓を強制する法律こそなかったとはいえ、妻の名前は結婚とともに自動的に消滅

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筆者

冨久岡ナヲ

冨久岡ナヲ(ふくおか・なを) ジャーナリスト

英国の文化や動向を伝える記事を各種媒体に執筆して、20年近く日英多数のキーパーソンや企業にインタビューを行ってきた。メディアやイベントの制作にもたずさわる。共著に、現地に住む者の目線でリーダーの決断と行動を追った『コロナ対策 各国リーダーたちの通信簿』(光文社新書)がある。ロンドン在住。

※プロフィールは、論座に執筆した当時のものです