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天邪鬼がいっぱいいた昭和の学校

みんなが幸せで、持続可能な学校文化を創っていくために

住田昌治 横浜市立日枝小学校校長

子どもたちが週予定を立て、時間割を決める

 そんな自由な担任時代、どんなことをしていたのか思い出してみることにしました。当時の学級経営計画を見てみると、「児童と週予定を考える」「教科係が授業を進める」「秋の運動会が終わってからは、児童が週予定を決める」「教室の環境や座席は児童が決める」「自分がいなくても授業が進められるようにする」等々書かれていました。さらに遡ってみると、初任の頃の記録には、「自分の嫌だったことは子どもにさせない」「これからは、児童が自分から学ぶようにする」「宿題はやめて、自分でどんどん家庭学習できるようにドンドンノートをやってみる」「週予定を書かせる」「一日の予定と毎時の計画・振り返り、一日の感想を書く日誌を続け、コメントを書き入れる」等々書かれていました。

 担任時代、子どもたちが週予定を立て、時間割を決め、授業を任せられるようにしようとしていました。新しいこともどんどん取り入れ、ワープロでの文書作成、デジタルコンテンツ、ディベート、総合学習、環境教育、演劇、野外劇、ペア学習、ワークショップ、教室のオープンスペース化等々、面白いと思ったことはやってきました。他の先生からは、「面白いことやってるから見に行こう」と言って、よく見に来られました。

 もちろん、失敗も数知れずありました。子どもたちが校外学習に出ていて、地域の歴史探しに行ったきり帰ってこなくて避難訓練に間に合わなかったことがあります。子どもたちは、地域にあるお寺に上がり込んで和尚さんから歴史を学んでいたのです。「避難訓練があると分かってるのに、なぜ校外学習に出したのか!」と叱られましたが、「地震はいつあるか分からないから、校外学習に出たときにどうするか考えさせたのです」と言い返しました。やっぱり天邪鬼ですね(笑)。

 とにかく、よく地域に出かけていましたので、いつも教室にいないけど授業は大丈夫なのかと心配もされ

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筆者

住田昌治

住田昌治(すみた・まさはる) 横浜市立日枝小学校校長

 2010年~2017年度横浜市立永田台小学校校長。2018年度~横浜市立日枝小学校校長。 ユネスコスクールに加盟し、ホールスクールアプローチでESDを推進。独自の切り口で実践を重ね、書籍や新聞等で取り上げられる。2015年度は、「もみじアプローチ」でESD大賞小学校賞を受賞。「円たくん」開発など、子どもや教師が対話的・能動的に学習参加し、深い学びにいたるために有効なツール開発と商品化にも積極的に関わる。  ユネスコスクールやESD・SDGsの他、学校組織マネジメントやサーバントリーダーシップ、働き方等の研修講師や講演、記事執筆等を行い、元気な学校づくりで注目されている。  ユネスコアジア文化センター事業推進委員、神奈川県ユネスコスクール連絡協議会会長、神奈川県環境教育研究会会長、全国小中学校環境教育研究会理事、未来への風プロジェクトメンバー、教育長・校長プラットフォームメンバー、横浜市ミニバスケットボール連盟参与を兼務。  著書に「カラフルな学校づくり~ESD実践と校長マインド~2019」(学文社)

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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