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高速で多様な輸送手段による交流が実現した世界

 高速鉄道、自動車、飛行機などの多様かつ高速な輸送手段により、移動に関わる予測はおおむね達成された。「5 七日間世界一周」は19世紀末に80日かかった世界一周を7日間で実現し世界中の人が海外旅行できる世界、「6 空中軍艦空中砲台」は飛行船による軍艦が砲台を持って戦争する世界、「14 鉄道速力」は冷暖房付きの大型機関車が東京・神戸間を2時間半で、ニューヨーク・サンフランシスコ間を一昼夜で移動できる世界、「15 市街鉄道」は都会から馬車や路面電車が無くなり地下鉄やモノレールが走る世界、「16 鉄道の連絡」は鉄道が5大陸を結ぶ世界、「20 自動車の世」は馬車に代わって廉価な自動車が使われる世界、を予測した。

 現代は、飛行船に代わって爆撃機やミサイルが、鉄道に代わって飛行機が大陸間輸送に使われているが、飛行機や電化された高速鉄道により予測のほとんどが実現されつつある。120年前に、世界中の人が海外旅行すると予測している先見性には驚く。

人間の体躯と医療・教育の進歩した世界

 人間の体や医療、教育の事柄についても、おおむね実現しつつある。「18 人の身幹」は身長が180センチ以上に大型化すること、「19 医術の進歩」は電気針・X線・外科術などの様々な発達した医療、「22 幼稚園の廃止」は家庭教育の充実と大学全入の世界を予測している。

 残念ながら、現状、⽇本⼈の⾝⻑は伸びたが平均180センチまでは届いていない。医学の進展は方向性はやや異なっているが、ガンも含め多くの病気が克服されつつある。また、幼稚園や保育園は残っているものの様々な教育の場が作られ、大学進学率も50%を超える学歴社会になっている。人に関わる進歩は120年前の予測ほどではないが、方向性は間違っていない。

自然や動植物との関わりは予測かなわず

 一方、自然災害や生物に関わることは、予測通りにはなって

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筆者

福和伸夫

福和伸夫(ふくわ・のぶお) 名古屋大学減災連携研究センター長・教授

1957年に名古屋に生まれ、81年に名古屋大学大学院を修了した後、10年間、民間建設会社にて耐震研究に従事、その後、名古屋大学に異動し、工学部助教授、同先端技術共同研究センター教授、環境学研究科教授を経て、2012年より現職。建築耐震工学や地震工学に関する教育・研究の傍ら、減災活動を実践している。とくに、南海トラフ地震などの巨大災害の軽減のため、地域の産・官・学・民がホンキになり、その総力を結集することで災害を克服するよう、減災連携研究センターの設立、減災館の建設、あいち・なごや強靭化共創センターの創設などに力を注いでいる。

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