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オンライン授業で「リアルタイム授業」は本当に必要か?

コロナ後も授業は少しずつでもオンライン化していくべきだ

赤木智弘 フリーライター

 東京、大阪、兵庫、京都の4都府県に対して緊急事態宣言が出された。多くの自治体で移動の制限などが求められる中、子供たちの学びの場である学校でも、様々な試行錯誤が行われている。

 そんな中で大阪市の小学校では午前中は生徒は家庭でオンライン授業を受け、給食の時間には登校するという変則的な授業形態を行っているようだ。

 全部オンラインにしてしまえば良いのにと思う一方で、給食が子供の成長にとって重要であり、また子供の顔を見ることが特に小学校教育にとって重要であることはわからなくもない。だから僕はオンオフ取り混ぜた変則的な形式であることにはそれほど問題を感じていない。

リアルタイムでの授業は欠点もある

拡大オンラインで算数の授業をする先生=2021年4月26日、大阪市

 ただ、違和感があるのがオンライン授業の方法である。

 一番の違和感は、授業方法がZOOMなどを用いた「リアルタイム授業」である点だ。確かにリアルタイムでのオンライン授業は、生徒と教師が自由に会話できて、全員の顔が見えるという利点がある。また、大阪市の小学校でのオンライン授業は完全実施ではなく、実際は親が家に不在などで、オフラインつまり学校に来て授業を受けている子も多いという。そうしたことも受けてのリアルタイム授業なのだろうが、リアルタイムでの授業は欠点もある。

 もっともありがちなのが、様々な要因によるトラブルだ。僕はYouTubeなどでいろんな人のライブ放送などを見ているが、配信に慣れた人でも、突然の配信環境のアップデートや、回線の不調や、様々な要因によって放送の開始が遅れたりなど、トラブルに見舞われているのを見かける。

 それは受信側も同じで、よく分からない理由でネットに繋がらなくなったりすることがある。そうして学校側のみならず、生徒各自のトラブルに対応していれば、当然授業時間が削られてしまい、授業の予定が大幅にズレてしまう。

 それを回避するためには、事前録画した授業を流すのが確実だ。動画は時間前にアップロードして時間と同時に公開すれば良い。少なくとも教師側のPCが原因でトラブルになることはない。

 また、生徒側のトラブルにも対応できる。生徒側が授業時間に配信を見られない状況にあっても、録画された授業であれば後からでも見ることができる。学校にいる生徒も、録画された同じ動画を学校で見れば授業の内容は同じであるから、何の問題も無い。

 その上で、動画の途中でも、動画を見終わった後でも質問タイムを設けて、質問を受け付ければ良い。質問とその回答はグループウェアなどで行うようにすれば、質問とその答えをみんなが共有できる。

 オンラインでも「みんなの顔を見ながら授業」というリアルタイム双方向にこだわらなければ、いくらでも効果的、かつ安定したやり方はあるのである。

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筆者

赤木智弘

赤木智弘(あかぎ・ともひろ) フリーライター

1975年生まれ。著書に『若者を見殺しにする国』『「当たり前」をひっぱたく 過ちを見過ごさないために』、共著書に『下流中年』など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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