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【47】新耐震設計法の導入から40年、事業継続を担保する設計法に脱皮を

福和伸夫 名古屋大学減災連携研究センター教授

地震時の建物の振動現象と耐震設計

 地震時の建物の揺れは、地震の規模、震源断層の破壊の仕方、地震の発生場所と建設地との距離や地震波の伝播の仕方、地下の地盤の揺れやすさ、建物の揺れやすさによって左右される。地盤の揺れの強さや長さ、周期などの特性は、地震や地盤によって異なる。

 また、地盤の揺れが建物の揺れやすい周期と合致すると共振して建物を大きく揺さぶる。建物の揺れやすい周期は、建物の構造や階数によって異なり、構造損傷すると周期が長くなり、エネルギーが吸収されて揺れが低減する。建物各部の応答加速度と質量との積が慣性力で、この力によって建物に生じた力が構造物の弾性耐力を上回ると損傷する。

 本来は、これを計算機上で時々刻々再現して、構造物の健全性を確認することが望ましい。しかし、様々な地震に対して

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筆者

福和伸夫

福和伸夫(ふくわ・のぶお) 名古屋大学減災連携研究センター教授

1957年に名古屋に生まれ、81年に名古屋大学大学院を修了した後、10年間、民間建設会社にて耐震研究に従事、その後、名古屋大学に異動し、工学部助教授、同先端技術共同研究センター教授、環境学研究科教授を経て、2012年より現職。建築耐震工学や地震工学に関する教育・研究の傍ら、減災活動を実践している。とくに、南海トラフ地震などの巨大災害の軽減のため、地域の産・官・学・民がホンキになり、その総力を結集することで災害を克服するよう、減災連携研究センターの設立、減災館の建設、あいち・なごや強靭化共創センターの創設などに力を注いでいる。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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