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「紀州のドンファン」と和歌山カレー事件の共通項

偏った情報だけで有罪と決めつけてよいのか

前田哲兵 弁護士

林眞須美の獄中からの訴え

 林眞須美の死刑判決は最高裁で確定している。2009年4月のことだ。これは誰もが知っていることだろう。しかし、和歌山カレー事件は、実は冤罪であった可能性が指摘されていることを知る人は少ないだろう。現に、林眞須美は一度も犯行を自供しておらず、今も獄中から無実を訴えている。

 冤罪の可能性を指摘する論拠は次のとおりだ。なお、以下は主に、田中ひかる著『「毒婦」 和歌山カレー事件20年目の真実』と、林眞須美死刑囚長男著『もう逃げない。』に記載された内容に基づいており、そこに私なりの解釈を加えたものである。

・林眞須美には動機がない。彼女はたしかに保険金詐欺を行っていた。それは林眞須美自身も、その夫も認めている。しかし、夏祭り会場で不特定多数の相手に対してヒ素を盛っても、彼女に保険金は入らない。むしろ捜査の手が伸びて、保険金詐欺を暴かれるリスクが高まる。なお、最高裁でも動機は解明されていない。

・林眞須美は午後0時20分頃から午後1時頃までの間にカレー鍋に毒物を盛ったとされているが、

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筆者

前田哲兵

前田哲兵(まえだ・てっぺい) 弁護士

1982年、兵庫県生まれ。前田・鵜之沢法律事務所所属。企業法務を中心に、相続や交通事故といった一般民事、刑事事件、政治資金監査、選挙違反被疑事件などの政治案件や医療事故も扱う。医療基本法の制定活動を行うほか、日本プロ野球選手会公認選手代理人、小中学校のスクールローヤーとしても活動中。著書に『業種別ビジネス契約書作成マニュアル』『交通事故事件21のメソッド』等

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