進化し続ける秘密は、「ぼくの目を見て」という振付師の注意
2021年05月07日
ニューヨークで、ブノア・リショー氏と新プログラムの振付を行っていたフィギュアスケート全米チャンピオン、ブレイディ・テネルが本サイトの独占取材に応じた。ロシアのティーンエイジャーに注目が集まりがちの中で、安定した演技を見せて上位入賞を続けてきた23歳のベテラン選手である。
日本から帰国した後、自己隔離を終えて、ニューヨークに到着したばかりだというテネル。数週間前の大阪での国別対抗戦を、こう振り返った。
「今シーズン、たとえ無観客でも試合に出るのは楽しかったです。でもやはり、会場にお客さんが入っていた国別対抗戦は最高でした。SPの時にお客さんが手拍子をしてくれて、何て楽しいのだろう、と喜びを噛みしめました。過去1年以上、ああいう雰囲気を経験していなかったので、観客の声援を聞いて本当に力をもらったんです」
2020年の春にモントリオール世界選手権がキャンセルになってから、先のことが見えないまま準備をしてきたという。
「(今季は)どのくらい、どの大会が開催されるのかわからなかったので、何が起きても大丈夫なように準備をしておこうと決めました。(グランプリシリーズの)スケートアメリカが開催されたことは本当に感謝をしているし、全米選手権に出場できたことは嬉しかった。毎朝起きるたびに、それを目標にしていましたので。もちろん、トム(・ザカライセク)が同行できないという、予想外のことは起きたのですが」
2020年8月、シカゴからコロラドスプリングスに拠点を移し、トム・ザカライセク氏が新コーチに就任。ところがザカライセクコーチは、2021年1月の全米選手権の2週間前、新型コロナウイルスの検査で陽性反応が出て、大会に同行することができなかった。それでもテネルは、カレン・チェン、マライア・ベル、アリサ・リューらのライバルを抑え、3年ぶりに全米タイトルを手にした。
「氷の上に出て、自分を解放したんです。そして本当に楽しみながら演技をした。元々それが、今シーズンの目標だったのです。日々何が起きるのかわからないので、一瞬一瞬を楽しもうと思っていました。全米選手権では、それができたと思います」
ザカライセクコーチへと移ったのは、
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