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デジタル改革関連法の狙いは個人情報「保護」ではなく「活用」

日本は官民挙げての「国民監視」に大きく舵を切った

臺宏士 フリーランス・ライター

7割以上が随意契約

 東京新聞の一連の記事によると、J-LISでは、14-20年度上半期のマイナンバー関連事業の74%が随意契約で、1者だけの入札も7%に上るという。記事は「81%の業者選定で競争が働いていなかった」と指摘している。これに対して、武田良太総務大臣は「J-LISからは、現在稼働中のシステムの改修やサポート関連の調達が多く、随意契約の割合が高くなっているが、案件を切り分けて発注するなど、より多くの事業者の参加に資する取組を行っていると聞いている」(4月30日の記者会見)と述べている。

 また、J-LISの職員268人(2月1日時点)のうち63人がNTTコミュニケーションズ、NTTデータ、NECなど24社からの出向で、契約額の83%が出向元の企業が受注していたというのである。

 J-LIS職員としての給与は、J-LISが負担となるのは当然だとしても、出向元の企業から見れば、「出向」という形での社員の官庁への天上がりは、太いパイプとして「適法」に会社に大きな利益をもたらす仕組みだ。デジタル庁側にとっても幹部やプロパー職員の将来の天下り先の企業として囲い込もうという思惑があるに違いない。

 東京新聞は、菅首相が官房長官として支えた安倍晋三政権だったちょうど1年ほど前、「電通 パソナなどに外注 給付金委託費 法人設立3社で分け合う」(5月2日朝刊)という内容の記事を1面トップで報じた。新型コロナウイルスの影響で売り上げが半減した中小企業などに最大200万円を給付する国の持続化給付金の給付事務は、実態が不透明な一般社団法人・サービスデザイン推進協議会(2016年設立)が表向き受託したあと、電通に再委託されたうえ、同協議会の設立にかかわったパソナやIT企業のトランスコスモスといった身内に次々と外注されていたという。

 その一つには安倍晋三首相側近で元中小企業庁長官の長谷川栄一首相補佐官(当時)が顧問だった企業もあったというのだから露骨だ。

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筆者

臺宏士

臺宏士(だい・ひろし) フリーランス・ライター

毎日新聞記者をへて現在、メディア総合研究所の研究誌『放送レポート』編集委員。著書に『アベノメディアに抗う』『検証アベノメディア 安倍政権のマスコミ支配』『危ない住基ネット』『個人情報保護法の狙い』。共著に『エロスと「わいせつ」のあいだ 表現と規制の戦後攻防史』『フェイクと憎悪 歪むメディアと民主主義』など。 

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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