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「可愛いすぎるソダシ」 純白の霊力は再び晴れを呼ぶか

古代インドの雅語「純粋・輝き」というその名の通りに

薄雲鈴代 ライター

 ソダシという一風変わった名前を知ったのは、昨年7月の函館競馬の時である。調べてみると古代インドの雅語であるサンスクリット語で「純粋・輝き」という意味をもつという。名は体を表す、なるほど見れば人目を惹く真っ白な馬であった。

 昨年7月12日の2歳新馬デビュー戦以来、5戦5勝。〝無敗〟と騒がれ白星が重なるほどに白毛馬の人気は高まっていった。

 もとより、血脈がモノを言うサラブレッドの世界において、稀少な白毛馬が勝ち続けるのは稀なる偉業であるうえに、その姿のかわいらしさから、今やアイドルホースへと邁進し、JRAのぬいぐるみが秒殺で完売する勢いである。いわんや先月(4月11日)、3歳牝馬の頂点を決める一戦、桜花賞のGⅠタイトルを掌中に収め、来る5月23日には、第2冠目のオークスに臨むとあっては、連日スポーツ紙にソダシの一挙手一投足が載るのも頷ける。

拡大阪神ジュベナイルフィリーズで白毛初のGⅠ制覇を果たした日のソダシ =2020年12月13日、阪神競馬場

須貝尚介調教師が微笑み語る「可愛すぎるソダシ」

 私がソダシを注目するようになったのは、白毛馬だからでも、無敗の強さでもなく、ソダシを調教する須貝尚介調教師のひと言からであった。

 競馬はレースの前に、馬の状態がどうであるか、稽古の仕上がりがどうであるかなど、馬を管理する厩舎の調教師が語る。厩舎情報は、馬券を買う際の参考になる。その厩舎情報の中で、須貝調教師はソダシのことを「可愛すぎる」と言われたのである。馬の体調や、稽古のタイムや、向かうレースの距離適性云々ではなく「可愛すぎる」である。「可愛すぎる」のが、馬券を検討する際の有力な手掛かりになるのかどうか、その素っ頓狂なコメントに、思わず笑ってしまった。

 しかし、昨夏の北海道競馬で「可愛すぎる」と目を細めて微笑む調教師と新馬のソダシに出会ってからこっち、その須貝調教師の可愛くてしかたがないという眼差しが、ソダシをオークスまで導いたのではないかと思えてならない。

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筆者

薄雲鈴代

薄雲鈴代(うすぐも・すずよ) ライター

京都府生まれ。立命館大学在学中から「文珍のアクセス塾」(毎日放送)などに出演、映画雑誌「浪漫工房」のライターとして三船敏郎、勝新太郎、津川雅彦らに取材し執筆。京都在住で日本文化、京の歳時記についての記事多数。京都外国語専門学校で「京都学」を教える。著書に『歩いて検定京都学』『姫君たちの京都案内-『源氏物語』と恋の舞台』『ゆかりの地をたずねて 新撰組 旅のハンドブック』。

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