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ジョージ・フロイド氏殺害から1年に思う~黒人の命が重くなる日は来るのか

田村明子 ノンフィクションライター、翻訳家

ヤクザまがいの脅しを受けた救急士

 後ろ手に手錠をはめられて地面に転がせられ、身動きが取れなくなったフロイド氏は、窒息死した。狩られた獣のように首を膝で押さえつけられ、「息ができない」と何度も訴えたにもかかわらず、4人の警官(その後全員免職)は誰一人として彼を助けようとはしなかった。9分29秒(時間は諸説あるが、残っているビデオはすでに彼が抑え込まれたところからスタートしていて、現在米国のメディアでは9分29秒というのが一般的)、膝に体重を乗せ続けた元警察官、デレク・ショービンは(殺意の有無に関わらず適用される)第2級殺人罪などで起訴された。

ジョージ・フロイド氏は9分29秒の間、警察官に膝で首を抑え込まれて死亡に至った YES Market Media/Shutterstock.com拡大ジョージ・フロイド氏は9分29秒の間、警察官に膝で首を抑え込まれて死亡に至った YES Market Media/Shutterstock.com

 ショービン被告の法廷は今年の3月に始まり、4月20日に陪審員は全員一致で起訴内容すべてに関しての有罪評決を下した。5月4日、彼の弁護士は裁判が公正なものではなかった、と主張し、やり直しを申し立てるも裁判所は却下。実際の量刑は判事が6月25日に言い渡す。

 ショービン被告の裁判では、多くの証人が証言に立ち、酸鼻極まる詳細が改めて明らかになった。中でも衝撃的だったのは、

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筆者

田村明子

田村明子(たむら・あきこ) ノンフィクションライター、翻訳家

盛岡市生まれ。中学卒業後、単身でアメリカ留学。ニューヨークの美大を卒業後、出版社勤務などを経て、ニューヨークを拠点に執筆活動を始める。1993年からフィギュアスケートを取材し、98年の長野冬季五輪では運営委員を務める。著書『挑戦者たち――男子フィギュアスケート平昌五輪を超えて』(新潮社)で、2018年度ミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞。ほかに『パーフェクトプログラム――日本フィギュアスケート史上最大の挑戦』、『銀盤の軌跡――フィギュアスケート日本 ソチ五輪への道』(ともに新潮社)などスケート関係のほか、『聞き上手の英会話――英語がニガテでもうまくいく!』(KADOKAWA)、『ニューヨーカーに学ぶ軽く見られない英語』(朝日新書)など英会話の著書、訳書多数。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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