コロナ禍で価格高騰、レディー・ガガも被害に
2021年07月06日
ペットロスのセルフヘルプ・グループを始めた頃、犬を預かったらお金を30万円も要求された、という驚くような話があった。
その頃、人を介して相談されたのは、こんな話だった。
ペットロスで苦しんでいた50代の女性が、ネットで見つけたのは、障害のある小型犬を一時預かりしてほしいという書き込み。
悲しくて次のペットを飼うという気持ちにはなれないが、短期間犬と一緒に過ごせる一時預かりなら役に立てるだろうと、女性が善意で連絡を取ると、20代くらいの若い女が犬を連れてきた。
1カ月後、女性が犬に深い愛着を持った頃を見計らって、若い女は一目で反社会勢力とわかる風貌の男を伴って犬を引き取りに来た。そして、その場で「もう飼えないので保健所に連れていく」というのだ。
驚いた女性が、「それなら私に飼わせて」と懇願すると、男の方が「犬だってタダじゃねんだよ」と凄み、30万円を要求された。
50代女性は、もともとこの一時預かりを夫に反対されていたこともあって、家族には相談できず、かといって、すぐにはお金を工面することもできない。家も知られているので、また来たらこの犬を奪われるかもしれないし、心配で眠れない。
どうしたらいいか、という内容だった。
もちろん、これは明確な詐欺なので、すぐに警察に行くようにと私たちはアドバイスしたが、その後の話は聞いていない。
おそらく、これは効率の良い詐欺とは言えないだろう。その後、大流行したという話も聞かないので、犯罪の手口としては淘汰されたのかもしれない。
しかし、人間の動物を愛する気持ちを利用しようとする犯罪が減ったということではない。インターネット時代を迎え、逆に大きく拡大しているようにも思えるのだ。
東京や近郊の駅前や、インターネット広告を通じて「かわいそうな動物」のための寄付を募るグループが数多く存在する。全部が偽であるというつもりはないが、その全てが本当に活動しているとは限らない。
長年、実際に保護猫保護犬活動に取り組んできたある団体の代表者が、福島のペットを保護していると寄付を集めるグループの住所に行ってみたら、一匹の動物もおらず、ケージもなく、ペットフードの一袋もなかったと言っていた。
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