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熱海土石流はなぜ発生したのか?~伊豆山のドローン動画を地質学者・塩坂邦雄氏が読み解く

「黒い盛り土」はどうして崩壊したのか。メガーソーラーは関係しているのか……

竹内敬二 元朝日新聞編集委員 エネルギー戦略研究所シニアフェロー

何がきっかけか?要因解明のポイント

拡大海側から見た土石流の現場=2021年7月5日、静岡県熱海市、朝日新聞社ヘリから、

 今回の土石流は谷を埋めた盛り土が崩壊して起きた。しかし、崩壊前の短時間降雨量はそれほど多くはない。とすれば、何が盛り土崩壊の引き金になったのか、その解明が必要だ。以下、ポイントについて述べる。

盛り土は廃棄物か?

 塩坂さんも指摘しているが、盛り土に使われた土には、通常の土のほか、住宅造成での残土、さらには廃棄物が混じっている土もあった可能性がでてきた。どういう内容の土が使われたのか。また、盛り土工事では本来、排水などの工事が求められる。今回崩壊した部分ではどんな工事が行われていたかも明らかにしなければならない。

崩壊を起こした水はどこからきたか?

 盛り土の最初の崩壊は、小規模の表層滑りではなく、比較的深い場所に「滑り面」ができる大規模な「円弧すべり」だったと推測されている。長時間の雨で、雨水が土壌に浸透して、盛り土が重くなり、また盛り土と谷の基盤の間に水がたまり、そこが滑り面になって、一気に流れ落ちた形だ。

 とすると、それを引き起こした水はどこからきたか、が問題になる。地質学者の塩坂さんは、近くに建設されているメガソーラーや住宅団地の雨水の流れの調査が必要だという。メガソーラーの建設地では、樹木が伐採されるために、流出係数が変わるので雨水流れが増える。その分の注意深い処理が必要になる。それがどうなっているか。

開発の在り方を問題視する川勝・静岡県知事

拡大土石流が発生した伊豆山地区を視察し、報道陣の質問に答える静岡県の川勝平太知事=2021年7月5日午後3時58分、静岡県熱海市
 川勝平太・静岡県知事も、正面から開発のための工事を問題視している。
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筆者

竹内敬二

竹内敬二(たけうち・けいじ) 元朝日新聞編集委員 エネルギー戦略研究所シニアフェロー

エネルギー戦略研究所(株)シニアフェロー。元朝日新聞編集委員。科学部記者、ロンドン特派員、論説委員などを務め、環境・原子力・自然エネルギー政策、電力制度などを担当してきた。温暖化の国際交渉、チェルノブイリ原発事故、3・11などを継続的に取材。著書は、電力業界が日本社会を支配するような社会産業構造がなぜ生まれたのか、なぜ福島事故がおきたのかを描いた『電力の社会史 何が東京電力を生んだのか』(朝日選書、2013年)。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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