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“市民権”得たオンラインツアー。コロナ禍に進化、収束後にも発展の兆し

【13】 パンデミックを経た世界 旅の形のこれからを予測する

沓掛博光 旅行ジャーナリスト

拡大ライブ中継のオンラインツアー特集ページ=トラベルズーのウェブサイト「ONTABI」から

「コロナ後に新たな文化として普及する可能性」と業界

 オンラインツアーは、海外旅行を手掛ける大手旅行代理店などを中心に昨年の4月ごろからぼつぼつ登場し始めていたが、業界全般に広がり始めたのは今年に入ってからだ。

 トラベルズーが2月に同社の登録会員を対象に行ったアンケート調査を見ると、昨年1月から今年2月にかけての約1年間で、オンラインツアーの参加経験者は全体の9.2%と少なく、その理由は、「オンラインツアーそのものを知らない」が29.3%、「関連情報が少ない」が39.5%だった。存在自体があまり知られておらず、知る機会も少ないことが窺える。

 同時に調べたオンラインツアーへの参加希望や参加者満足度では、「コロナ後でも参加したい」が56.8%に対し、「参加しない」が11.4%。また、参加回数は、1回が56.8%に対して、2回以上のリピーターが合計43.2%にのぼることが判明した(2回13.6%、3回18.2%、4回2.3%、5回以上9.1%)。

 これらの結果をふまえて、小板橋取締役は「オンラインツアーへの関心の高さや人気度はコロナ禍だけの特別な現象ではなく、新しい旅の楽しみ方が求められており、コロナ後でも新たな文化として普及する可能性が高い」と分析した。オンラインツアー専門の「ONTABI」を立ち上げた背景には、こうした消費者サイドの動きがあったのだ。

拡大トラベルズーのウェブサイト「ONTABI」では多彩な旅行ジャンルを網羅している=トラベルズー提供

リピート率は6割強に急伸、コア層も拡大

 現在、国内にはオンライン専門媒体がいくつも存在する。同社は「現在のところ扱うサイト数と件数共に最大級」と自負する。同社の資料によれば、サイト閲覧数は現時点で月間約5万PV。これを今年末までに50万PVに増やし、掲載するツアー数も2000件に増やす目標を掲げる。

 なお、直近の6月末の同社アンケート調査では、オンラインツアーの参加経験者は16%で、2月時点の約1.7倍に増えた。2回以上のリピート率も61.7%で約1.4倍になり、特に5回以上が26.5%と3倍近くなったのが目を引く。時間の経過と共に、ヘビーユーザーが生まれているようだ。

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筆者

沓掛博光

沓掛博光(くつかけ・ひろみつ) 旅行ジャーナリスト

1946年 東京生まれ。早稲田大学卒。旅行読売出版社で月刊誌「旅行読売」の企画・取材・執筆にたずさわり、国内外を巡る。1981年 には、「魅力のコートダジュール」で、フランス政府観光局よりフランス・ルポルタージュ賞受賞。情報版編集長、取締役編集部長兼月刊「旅行読売」編集長などを歴任し、2006年に退任。07年3月まで旅行読売出版社編集顧問。1996年より2016年2月までTBSラジオ「大沢悠里のゆうゆうワイド」旅キャスター。16年4月よりTBSラジオ「コンシェルジュ沓掛博光の旅しま専科」パーソナリィティ―に就任。19年2月より東京FM「ブルーオーシャン」で「しなの旅」旅キャスター。著書に「観光福祉論」(ミネルヴァ書房)など

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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