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“市民権”得たオンラインツアー。コロナ禍に進化、収束後にも発展の兆し

【13】 パンデミックを経た世界 旅の形のこれからを予測する

沓掛博光 旅行ジャーナリスト

拡大歴史的な町並みを巡るプラハのオンラインツアー。正面のプラハ城を出て、ヴルタヴァ川にかかるカレル橋を渡り旧市街地を行く=筆者撮影

海外ツアー続々登場。リアルでは行きにくい国々にも人気

 海外へのオンラインツアーに目を向けると、ヨーロッパ各地の旅行を主に取り扱う老舗の旅行会社ミキ・ツーリストのブランド「みゅう」では、ヨーロッパの主要11カ国を訪ねるツアーを、この1年間で100ほど企画、販売してきた。

 同社FIT営業部の山本真充さん(36)は「リアル旅ではイタリアやフランス、イギリスなどが人気ですが、オンラインツアーではチェコやポルトガルといった国々にも人気が集まっています」と言う。

 行ってみたくても中々行けない国を見てみたい、話を直接聞きたいという思いが、自宅に居ながらにして楽しめるツアーへの参加動機になっているようだ。

拡大パソコン画面にライブ映像で映るプラハの旧市街広場とガイドの細矢元洋さん。オンラインツアーは6月下旬に行われたが、マスク無しの観光客の姿が見られる=筆者撮影

コロナ禍は人気ガイドに出会えるチャンス

 参加者の平均年齢は54歳とやや高めで、これまでの最高齢は82歳。参加者の感想では、「ガイドさんが歩きながら詳しく解説し、町中の景色と一緒に楽しめた」、「オンラインなら(今後、)足腰が弱っても安心して楽しめそう」、「コロナ後に実際に行く予定の旅の予習として(他のツアーも)参加したい」。あるいは、「歴史に裏付けられた案内でプラハの町の様子が理解できた」などが寄せられ、オンラインの魅力を伝えている。

 専門的な解説や案内と臨場感あるライブ映像、さらには双方向のコミュニケーションを図りながらの進行から、旅の意外性にも触れられ、楽しみを作りだしているようだ。

 「コロナ禍故の利点もあるんです」と山本さん。

 それは、通常はVIPを案内する人気ガイドさんが、コロナの影響で時間の余裕が生まれ、オンラインツアーに登場しやすくなっているということだ。歴史的な建物や美術品などを深い知識と分かりやすい語りで解説するベテランガイドさんに出会うチャンスが多くなったのも、コロナ禍の隠れたメリットかも知れない。

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筆者

沓掛博光

沓掛博光(くつかけ・ひろみつ) 旅行ジャーナリスト

1946年 東京生まれ。早稲田大学卒。旅行読売出版社で月刊誌「旅行読売」の企画・取材・執筆にたずさわり、国内外を巡る。1981年 には、「魅力のコートダジュール」で、フランス政府観光局よりフランス・ルポルタージュ賞受賞。情報版編集長、取締役編集部長兼月刊「旅行読売」編集長などを歴任し、2006年に退任。07年3月まで旅行読売出版社編集顧問。1996年より2016年2月までTBSラジオ「大沢悠里のゆうゆうワイド」旅キャスター。16年4月よりTBSラジオ「コンシェルジュ沓掛博光の旅しま専科」パーソナリィティ―に就任。19年2月より東京FM「ブルーオーシャン」で「しなの旅」旅キャスター。著書に「観光福祉論」(ミネルヴァ書房)など

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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