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オリパラ開催に間に合わない!~介護職に対するワクチン接種の問題点(下)

五輪は介護する人、される人の人生に爪痕を残す

白崎朝子 介護福祉士・ライター

感染者数の少ない自治体から学ぶ

 前述の奈良のM町のWさんから、「高齢者枠の優先接種の終了が近づき、7月からは基礎疾患がある人と高齢者・障害者施設の利用者と職員の集団接種が始まります」と聞いた。

 「基礎疾患あり」の優先枠の案内は、国が作成した通知のままの内容で、そのまま読むと普通の障害者は対象外に読めた。一方、県からは「手帳所持者は優先接種」との通知がきていた。そこで町に確認すると、「M町に在住していない利用者も対象にします。合計何人になりますか?」との返事が返ってきた。

 ほぼ同時期に、「町内の高齢者施設・障害者施設の利用者・職員全員を対象に、集団接種をします。住所地は問いません」という連絡がM町より来て、利用者70名、職員100名のほぼ全員が接種できることになった。7月末にはほぼ接種が完了するという。

 関西の高齢者訪問介護事業所で働くHさんによれば、「私の事業所では、ワクチン接種の情報はくれますが、強制ではなく、副反応が原因で休む場合は“承認休務”になるそうです。“ 承認休務”とは、コロナ関連で感染、あるいは濃厚接触者となり仕事を休むときの扱いで、ワクチン接種時にも適用されるそうです」という。

 彼女の職場は私が取材してきたなかでも、労働条件や待遇がいいため、離職率も低い事業所だが、ワクチン接種後の有給休暇も取りやすいそうだ。そういった配慮こそが介護職員の離職を減らし、ひいては利用者のいのちを守ることになのではないだろうか……。

 感染者数が東京よりはるかに少ない地域から、ワクチン接種について学ぶところが大きい。

五輪開催に怒りの声、各地から

 各地の介護関係者から上がるのが、この状況下でのオリンピック開催を批判する声だ。

 札幌市で知的障害

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筆者

白崎朝子

白崎朝子(しらさき・あさこ) 介護福祉士・ライター

1962年生まれ。介護福祉士・ライター。 ケアワークやヘルパー初任者研修の講師に従事しながら、反原発運動・女性労働・ホームレス「支援」、旧優生保護法強制不妊手術裁判支援や執筆活動に取り組む。 著書に『介護労働を生きる』、編著書に『ベーシックインカムとジェンター』『passion―ケアという「しごと」』。 2009年、平和・ジャーナリスト基金の荒井なみ子賞受賞。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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