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「五輪閉会も、まだやっと折り返し地点」 中村英正・組織委員会MOC(運営統括)チーフに訊く

パラリンピック開幕へ、収穫と課題は

増島みどり スポーツライター

 8月24日のパラリンピック開会式まで1週間を切り、組織委員会には五輪閉会式の余韻を味わう時間はない。運営面を統括する中村英正(53)は、五輪閉会を、「ロードレースに例えたらまだやっと折り返し地点」と表現する。2014年、東京オリンピック組織委員会が結成された直後の5月に財務省から同委員会の企画財務局長に出向。以降7年間、財務責任者からスポーツ局長となり、大会の開催を統括するGDO(ゲームズ・デリバリー・オフィサー)に就任し、そして今年6月からは、コロナ感染予防対策など運営の指揮を執るMOC(メイン・オペレーション・センター)チーフと最前線へと異動を続けた。五輪からパラリンピックへのジョイントで見えた収穫、課題を聞いた(敬称略)。

新しい競技がポジティブなメッセージ伝えた五輪

拡大東京五輪閉会式=2021年8月8日、東京・国立競技場

――オリンピックの閉会式では、どんな気持ちがわいたのか。

中村 閉会式(8日)当日は国立競技場で対応していた。聖火が消えゆく瞬間、さぁパラリンピックだ、アスリート、ご協力頂く皆さん、都民や国民の方々にとって素晴らしいパラ大会を開催しなければ、と気持ちが切り替わった。もちろんある部分で達成感は抱いたが、感傷はなかった。マラソンや駅伝のように、やっと折り返し地点、そういう思いを組織委員会全体が抱いている。

――期間中、新型コロナウイルスへの対応を含め、様々な問題対応に追われたのでは?

中村 実は、リオデジャネイロ五輪の経験者、またIF(国際競技連盟)、各エキスパートを含め→リオデジャネイロ五輪やIF(国際競技連盟)の経験者で、緊急な案件にすぐさま対応できる、いわば「レスキューチーム」を準備していた。IOC(国際オリンピック委員会)からも、五輪が始まって数日間は修羅場だ、覚悟がいると助言されたが、実際には、そうしたレスキュー出動の必要はなく、各べニュー(会場)マネジャーたちと話し合い、解決、対応ができた。大会を通し、58個ものメダルを獲得されたアスリートの力だけではなく、日本のスポーツ界全体が、それぞれ国際大会で積んだ経験を生かし、日頃から五輪同様の組織力、運営力を備えていると実感した。

――中村さんが競技で印象的だったのは?

中村 スケートボードやサーフィンといった新しい競技で、男女、プロやアマ問わず、日本選手でも海外を拠点するなど、若い選手、女性がはつらつとパフォーマンスしていた姿は強く印象に残った。アーバンスポーツといっても経験がなくイメージしにくかったが、SDGs(持続可能な開発目標)の具現化含め、皆さんにも、とてもポジティブなメッセージを伝えてくれたように思い、本当に嬉しくなった。

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筆者

増島みどり

増島みどり(ますじま・みどり) スポーツライター

1961年生まれ。学習院大卒。84年、日刊スポーツ新聞に入社、アマチュアスポーツ、プロ野球・巨人、サッカーなどを担当し、97年からフリー。88年のソウルを皮切りに夏季、冬季の五輪やサッカーW杯、各競技の世界選手権を現地で取材。98年W杯フランス大会に出場した代表選手のインタビューをまとめた『6月の軌跡』(ミズノスポーツライター賞)、中田英寿のドキュメント『In his Times』、近著の『ゆだねて束ねる――ザッケローニの仕事』など著書多数。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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