赤木智弘(あかぎ・ともひろ) フリーライター
1975年生まれ。著書に『若者を見殺しにする国』『「当たり前」をひっぱたく 過ちを見過ごさないために』、共著書に『下流中年』など。
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
さて、療法食がペットの命に関わるものであるなら、人間の薬と同じように取引が規制されてもいいはずである。
当然、人間の薬を転売屋が許可なく扱えば、医薬品医療機器法(薬機法)の規制に引っかかる。
新型コロナウイルスにポビドンヨードのうがい液が効果があるという話が出てきたときに、一部の転売屋が第3類医薬品に指定されている製品を転売して逮捕された。
しかし療法食は商取引上、薬品ではなく、あくまでもペットフードという扱いであるため、薬機法の規制にひっかからないのである。
では古物商としての許可という話はどうだろうか。
これは基本の話になるが、古物商免許が必要なのは一度消費者の手に渡った「古物」を有償で買い取り、それを販売する場合であり、店舗で新品として買った商品を売る分には特別な免許はいらないのである。
そのおかげで私たちは新品として購入し、使わなくなった品物をフリマサイトに出品したり、リサイクルショップなどに売ることができる。
療法食も新品を手に入れれば、それを売ることに法的な規制は存在しないのである。
療法食の事例を見ても分かるように転売屋はとても迷惑な存在だ。
療法食以外でも、新型コロナが流行りだした初期にはマスクやトイレットペーパーなどが転売屋の餌食となった。また、僕はテレビゲームが好きだが、Nintendo SwitchやPS5といった最新のゲームハードも、コンサートやライブのチケットなども、長い間転売屋の被害に遭い続けてきた。
趣味を持っている人なら、必ず一度は転売屋を迷惑な存在であると憎んだことがあるだろう。
ところが、
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